神代

暗黒と再生:儀式が行われた後

怯えるバロヴィウスの都の民は自分たちの神であるケト・テュロスに「神の審理の儀式」を行った。この時は、ヴェロルティナの言うとおりのことが起きた。ケト・テュロスは捧げ物と儀式のおかげで眠りから覚醒し、自分を呪縛していた冬の敵を追い払うことがで…

暗黒と再生:ヴェロルティナの民

ヴェロルティナの民ハーグの都(注1)に死んだ神にしたがう民がいた。死んだ神の名は「闇の顔」(注2)といい、記憶ある限りの始まりから民はこの神、「闇の顔」を信仰し、名誉を与えていた。「闇の顔」が彼らから目を背け、自らの秘密の火を他の民や国を暖…

暗黒と再生:死の天空

下記はEntekosiad63ページから67ページに記述されているペランダの「大暗黒」の時代の出来事の抄訳です。訳の間違いの責任はzebにあります。死の天空太陽はダアク(注1)、外から到来した盗賊によって打ち落とされた。ダアクは、盗賊であり、人殺しであり、…

ザーラマーカの変容

以下はMissing Land p.18に掲載されていた魚人の神話です。翻訳の間違いの責任はzebにあります。ザーラマーカ、ひとつのもの。深淵は全てである。内より外が生まれ、変動がザーラマーカから流出した。水こそが全てであり、深くもあり浅くもある。変動は深み…

ビゼルエンスリーブBiselenslib

下記はEnclosure誌に掲載されたGreg Staffordのダラ・ハッパ下層民に関する記事の翻訳です。翻訳の誤りの責任はzebにあります。ビゼルエンスリーブビゼルエンスリーブは神々の壁の百柱の神々のひとりであり、したがって起源の神々のひとりです。イェルムは彼…

神々のあやまち:あとがき

「神々のあやまち」の神話に関しては、これでおしまい。できればペランダの「大暗黒」と先駆星(Idojartos)の神話についても機会があればエントリしたいです。蛮族ベルト地帯のライトブリンガーの神話とは一味違います。神々の三つのあやまち:イントロダク…

不老不死がなくなったわけ

ある日のこと、創造の女神(注1)は皆の者に集まりに出るように言いました。「その場で皆さんにどうやったら不老不死になれるか説明しましょう。」ウェンダリアの人々は良い機会をもらったことにとても喜びました。なぜなら何度か「死」が近くの森に隠れている…

ヒョルト王のサガの登場人物

ちょっと恥ずかしいですが、「ヴィングコットのサガ」の引用でしょうか、「隠れた王」と「次男」の話が出ましたので、昔書いたヒョルト王のお話です。Hidden Kingsについては、HoHPによるとJardforやKogallは変身術師Shapeshifterだったようです。非公式版で…

ぺランダのThree Errors

ぺランダのThree Errorsやっとのことで三つ目まで来ました。長かった。(まだ不老不死が失われたImmortality Lost話が残っていますが)この晦渋な神話の拙訳にはまりおん殿のペランダ語の語彙集が非常に役立ちました。ありがとうございます。あと復活したKev…

神々のみっつ目のあやまち

神々のみっつ目のあやまち:季節というものがない時代、人々には悩みごとがありませんでした。そしてある時男たちが目覚めたのです。これからお話しするのはどのように目覚めが起こったかです:踊りがありました。いつものように、作物の収穫を祝う踊りでし…

オーランスのアーナールダへの求愛

Orlanth's Wooing of Ernalda以下は以前言及した、Wyrm's Footprint (同人誌Wyrm's Footnoteの良い記事を集めたもの)の82ページの記事の抄訳です。翻訳の誤りの責任はzebにあります。オーランスと大地(話の中では女神アーナールダとして登場する)の関係に…

エンテコシアドの時系列

以下は2008年10月、WorldofGloranthaメーリングリストでグレッグがEntekosiadの「時系列」について教えてくれたことのzebの抄訳です。訳の間違いの責任は全てzebにあります。君が理解しなくてはならないことは、全てのこれらの神話は理解を超えたものに対し…

神々のふたつめのあやまち:戦争の発明

神々のふたつめのあやまち:戦争の発明ある日のこと、ナイフで遊んでいる男たちがいました。彼らはなにか女たちを助けることをしたいと思っていましたが、作物の取り入れにナイフを使うことはできませんでした(訳注1)。この時代、大きいときには部屋とか塔く…

時の世界

Wyrm's Footprintp.75 The World of Time時の世界グローランサの歴史は時がはじまって以来の起こった出来事を集めたものである。神話の事件は「時」より先に起こっているが、連続して起こっているものではなく、同時に起こっていることである。秩序ある線を…

神々のふたつめのあやまち:冬と食べ物の競い合い

神々のふたつめのあやまち:冬と食べ物の競い合いかつて、ベレンデンボスという美しい神殿がありました。この神殿で最初の子どもが生まれたのです。また、「二重かがり縫い」が発明されたところでもありました。草花はひとりでに育ち、狩りの獲物はあり余る…

ヴァデル人とザブールの戦争

ヴァデル人とザブールの戦争以下はTradetalk #13に掲載されたPeter Metcalfeの記事の抄訳です。Peter独自のアイデアもありますが、ほぼRevealed Mythlogiesに記述されたマルキオン教徒の神代の出来事に則って記述されています。下記の文章のうち、「」内はほ…

オロジェリアとケンストラータ2

ケンストラータは春の花咲く季節に雌ギツネを探しましたが、姿を見失いました。彼は追跡を続けましたが、次の春まで見つけることができませんでした。次の夏までは追い続けられました。彼はその季節の間雌ギツネに迫り、季節を過ぎた頃に驚異的なことがわか…

オロジェリアとケンストラータ1

下記はルナー帝国のアリール地方(17C現代のドブリアン君主領)につたわる神話です。ペランダの神話に共通する神々が登場しますが、この地方の特色も色濃く残っています。主人公のひとりのオロジェリアは、月の女神の化身の一つとルナー帝国に主張されていま…

「破壊」と「犠牲」2

かつて西方の海には広大な陸地がありました。この陸地はダンマラスタンDanmalastanと呼ばれていました。そこに住んでいる民は論理を奉じ、世界は法則によって創造されたと信じていました。かつて、法則は生きて話す存在でした。この存在にはマルキオンという…

「破壊」と「犠牲」1

グローランサ西方に住んでいる民は、論理の民です。論理的であることを至上の命題としている以上、彼らの奉ずる宗教においても、何よりも論理的で、首尾一貫した世界観を理想としているものと推測できます。また寛容さ・意見の多様性などはつまるところ無秩…

フマクトとオーランス

フマクトとオーランスフマクトとオーランスの神話についても、いくつかバリエーションがあります。この二柱の神が兄弟なのは(兄弟だったのは)ヒョルト人の神話では共通しているようですが、いくつかの出来事で違った風に原因と結果を覚えているようです。…

バーテイとエラサンチューラ

バーテイとエラサンチューラ以下は無神論者、唯一神論者を問わず一致するマルキオン教徒の成り立ちの物語です。第二期にこの概念は多くの他の文化に不完全なかたちで神知者に伝えられました。特にバーテイ、混血の神々の概念はオーランスと嵐の部族に当ては…

オーランスのアーナールダへの求愛

オーランスとアーナールダの出会いの神話は数々の異型があって、私が知る限りでも四種類あります。ひとつはオーランスとイェルムの技比べの記事に出したGlorantha Visionsの神話で、ここに出てくるオーランスは紳士的ですね。(イェルムを殺っちまう場面を別…

神々のひとつ目のあやまち

神々のひとつ目のあやまち男の神々は怒っていました。祖母女神(訳注1)が自分たちを創ったとき、劣ったものとしたからです。「不満の騒音」、「雷鳴」が集会の場までやってきて、言うことには、「大いなる母(訳注2)が俺たちを作ったとき、子供を産むこと…

天空の崩壊1

天空の崩壊ある程度神代の天体になにが起こったかの記録はグローランサでも各文化で共通しています。しかしもちろん、一番関心があり、もっとも深く記録を行っていたのはダラ・ハッパの星見たちです。下記の変化は、Glorious Reascent of Yelm p.88-89に依拠…

神々の三つのあやまち:イントロダクション

神々(Gods)の三つのあやまち神々の三つのあやまちの物語は、Entekosiadに載っています。このペランダの神話は平和で人々が汚れを知らなかった緑の時代が終わり、戦争や死がはじまったのは、神々の過誤のせいだとしています。(または協調と愛に富んだ女神(Go…

シュール・エンスリーブ2

第四・第五・第六の産卵「望まれざる者たち」の揉め事は「古き沼」の性質を何度も変えてきた。前の安楽な生活に親しんでいた民は悲しみ、困難に苦しんでいた。シュール・エンスリーブはひな達が受けている悩みに気づいていた。シュール・エンスリーブは夫を…

シュール・エンスリーブ1

SurEnslib初期の神話(ダラ・ハッパ以前の神話)シュール・エンスリーブは存在し、常にあり続けてきた。足元に泥を集めて唾を吹きかけた。泥のかたまりは大きくなって、彼女の唾からはあし(葦)が生えてきた。葦を浮かぶ巣を作るために用いた。その後、シュー…

女神ナヴェーリアの神話3

しかしもう方法が思いつかないので、ナヴェーリアが脅したりすかしたりしても「王」はどうしようもありません。若返りのたびにナヴェーリアは王の娘を産みましたが、最後に息子を産み、イドカロスと名づけられました。賢きイドカロスは生後すぐに母に話しま…

女神ナヴェーリアの神話2

「赤の都」ではいつも同じ食事をしていました。ナヴェーリアはそこで料理の仕方を都の女達に教えました。「赤の王」はそのことを聞き知って、ナヴェーリアを召し出しました。「もしそうする自由を与えてくださるなら、他にもお教えできます。」ナヴェーリア…