「破壊」と「犠牲」2

かつて西方の海には広大な陸地がありました。この陸地はダンマラスタンDanmalastanと呼ばれていました。そこに住んでいる民は論理を奉じ、世界は法則によって創造されたと信じていました。

かつて、法則は生きて話す存在でした。この存在にはマルキオンという名前がありました。マルキオンは五つの御業を行い、世界を創造したのです。しかし、悪はヴァデルによって生み出され、マルキオンの創造した世界に広がりました。

下記はMiddle Sea Empire p.4に記述されている、「五つの御業」に対応したマルキオンの五態です。この記述はAbiding Bookの一節として挙げられているものです。

創造の時代

第一の御業
はじめに神秘があった。神秘は無限であり、虚ろな空間だった。内側には「全宇宙の観点」があり「原質」を知覚した。したがって「知性(注1)」が命なき「物質」と形のない「エネルギー」を分離した。

「知性」は「創造主」マルキオンとも呼ばれる。したがって「マルキオンが世界を創造した。」とも言う。

第二の御業
分析を行い、「知性」は「法(注2)」となった。

はじめに命なき「大地」と形なき「太陽」があり、「知性」によって知覚された。「知性」の分析は大地と天空をあやつり、「法」はそれらを分析して、「始原のルーン」を分離した。「始原のルーン(注3)」は「真の存在」にして「真の形質」であり、「真の法則」であった。

「知性」は「法の」マルキオンとも呼ばれる。したがって「マルキオンが始原のルーンを創造した。」とも言う。

第三の御業
「法」は始原のルーンを分析し、オルデルヴィス(注4)となった。オルデルヴィスは「始原のルーン」を写し取り、「第一世界」の始原の物事を創造した。

「法」は「思考の城塞」を創造し、そこに住まうようになり、オルデルヴィスと呼ばれるようになった。

「法」は「見者」マルキオンとも呼ばれる。したがって「マルキオンが始原の物事を創造し、ケトオルデルヴィス(思考の城塞)の内に集めた。」とも言う。

第四の御業
オルデルヴィスは始原の物事を複製し、「完全なる世界(注5)」を作った。彼は最初の民をも創造し、六つの部族となった。

オルデルヴィスは「創始者」マルキオンとも呼ばれる。したがって「創始者マルキオンがダンマラスタンとその六つの民を創造した。」とも言う。

第五の御業
「長老(注6)」マルキオンは「分解の時代」を生きた。この時代、始原のルーンたちが創造に敵対し、世界を堕落させた。始原のルーンたちは命の力を押収し、残りの世界は苦しんだが、マルキオンとマルキオンの民は堕落の力と戦った。ついには魔道の「始原のルーン」(注7)が善良なる民を滅亡で脅迫した。

その代わり、「長老」マルキオンは破壊の力をのみこみ、民のために自らを犠牲にした。したがって彼は物質の生命を捧げ、彼の不滅の「生命」が全ての物質界に伝播した。そのためにマルキオンの民は直接「生命」を相伴できるようになった。聖なる家族はそれぞれ「生命」の自分の分にあずかり、自らを「生命」と再びひとつにするよう志すようになった。したがって世界は贖われたのである。


「長老」マルキオンは「犠牲者」マルキオンとも呼ばれる。したがって「マルキオンが救済を創造した。」とも言う。


注1:Middle Sea EmpireによるとFerbrith。

注2:Kiona。

注3:Erasanchula。私は天使のような、人より上位の存在をイメージしています。

注4:Ordelvis。

注5:Danmalastan。古いソースでは「論理王国」と書かれていた。

注6:Elmalkion。ブリソス人の話を読むと、まるでマルキオンが人格を持ったこと自体が過ちであったように思える?

注7:はっきりとは書かれていないが、ザブールを意味するように思われる。