2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「破壊」と「犠牲」2

かつて西方の海には広大な陸地がありました。この陸地はダンマラスタンDanmalastanと呼ばれていました。そこに住んでいる民は論理を奉じ、世界は法則によって創造されたと信じていました。かつて、法則は生きて話す存在でした。この存在にはマルキオンという…

「破壊」と「犠牲」1

グローランサ西方に住んでいる民は、論理の民です。論理的であることを至上の命題としている以上、彼らの奉ずる宗教においても、何よりも論理的で、首尾一貫した世界観を理想としているものと推測できます。また寛容さ・意見の多様性などはつまるところ無秩…

崇敬と一神教

まりおん殿の日記、「聖人崇敬」に関しまして。まず、Vampire.S殿のアドバイスに従って、言語の定義の確認です。客観的な意見を求めるには、まず辞書を。Wikipedia-Veneration(English)記述を見るかぎり、ほぼこの文章で仮定されている汎的なキリスト教のニ…

ドラゴンキル Dragonkill!

ドラゴンキル第二期末期、ワームの友邦帝国は迷走と内乱を続け、いつしか、ドラゴンズ・アイの超王は人間たちに教えた秘密が正しく使われていないと判断しました。1042年、突如としてユーフの地の人間たちのうち、竜の心を持つ有力者は全員暗殺され(注1)、ま…

Lawrenceの回答

以下はZebの質問に対するDara Happa Stirsの著者、Lawrence Whitakerの返答です。(質問)「鋤線plowline」は「死線deathline」と同じものでしょうか?(回答)いいえ、「死線」はドラゴンキルの後、別にしつらえられたものです。「死線」はもっとドラゴンズ・ア…

天蓋の国の哀歌Lament of Domeland

下記は完全にzebの創作です。下記のような出来事があったかどうかは、完全にYGMVの領域です。ドマナンドの公式の設定ではありませんので、ご注意ください。天蓋の国の哀歌ドマナンド(注1)の中央広場にて、1095年、サルカントゥス・カルトの将校語る。真性黄…

恐怖の夜Night of Horrorとエシルリスト卿

恐怖の夜とエシルリスト卿1506年、大幅な人口の減少が起きました。おそらくドラゴンキルに匹敵する50万人から100万人規模の損失でした。カイトールにおけるシェン・セレリスの失墜、オラーヤにおける「崇めるべき大女祭」の、ホーン・イールとの技比べでの敗…

蛇王朝Serpent Dynasty

蛇王朝下記は、私がグレッグ・スタフォードの「セシュネラ王統譜」から、蛇王朝時代(第一期初期)の出来事をまとめたものです。(第一期の「セシュネラ王統譜」はグレッグの宇宙観におけるマルキオン教と異教(多神教)の関係を大いに考えさせるものです。…

一神教とマルキオン教

第三期のロスカルム人はイレンサヴァルIrensaval、Hidden Mover(隠されし導く者)を信仰しています。この概念は第一期にフレストル派によって見出され、神知者によって異端として弾圧されましたが、第三期に復活しました。ロスカルム人はこの存在のほかに、…

十字軍 Crusade

十字軍下記はTales of the Reaching Moon誌13号に初出のGreg Staffordの記事の抄訳です。この記事はRPG Magazine No.76(1996/8)に日本語訳が掲載され、またStafford LibraryのArcane Loreに再掲載されました。 フレストル王子が異教のペンダルス族〈注1)を…

フマクトとオーランス

フマクトとオーランスフマクトとオーランスの神話についても、いくつかバリエーションがあります。この二柱の神が兄弟なのは(兄弟だったのは)ヒョルト人の神話では共通しているようですが、いくつかの出来事で違った風に原因と結果を覚えているようです。…

バーテイとエラサンチューラ

バーテイとエラサンチューラ以下は無神論者、唯一神論者を問わず一致するマルキオン教徒の成り立ちの物語です。第二期にこの概念は多くの他の文化に不完全なかたちで神知者に伝えられました。特にバーテイ、混血の神々の概念はオーランスと嵐の部族に当ては…

オーランスのアーナールダへの求愛

オーランスとアーナールダの出会いの神話は数々の異型があって、私が知る限りでも四種類あります。ひとつはオーランスとイェルムの技比べの記事に出したGlorantha Visionsの神話で、ここに出てくるオーランスは紳士的ですね。(イェルムを殺っちまう場面を別…