女神ナヴェーリアの神話2

「赤の都」ではいつも同じ食事をしていました。ナヴェーリアはそこで料理の仕方を都の女達に教えました。

「赤の王」はそのことを聞き知って、ナヴェーリアを召し出しました。

「もしそうする自由を与えてくださるなら、他にもお教えできます。」
ナヴェーリアは答えました。

ナヴェーリアは新しい収穫の仕方を都の民に教えました。また、かまどを作ってものを焼くことも教えました。

「赤の都」では粘土を焼いて建物を作っていましたが、ナヴェーリアは新たに煉瓦を焼く方法を教えたのです。

その後、煉瓦で全部できた町が「赤の都」の近くのあちこちにできました。

「赤の王」は喜んで、ナヴェーリアを妃にしました。

「王」はあるとき、自分が年老いていくのに彼女がいつまでも若く美しいのに気づきました。

「もしその方法を教えてくれるなら、何でもしよう」
「赤の王」は言いました。

ナヴェーリアは自分の父を見つけることを条件に、同意しました。

聖なる浴槽を作り、「王」がその浴槽に入ると、ふたたび若返りました。

「王」は家臣を地方に派遣し、ナヴェーリアの父を探させましたが、見つかりません。

また司祭達を集め、神々に祈らせましたが、手がかりは知れませんでした。

「王」は自分で探すことを宣言し、自分の国と、外国を隅々まで探し回りましたが、見つかりません。

果ては、邪悪な魔道士たちに依頼までもしましたが、無駄でした。

何度も「王」は年老いて、そのたびにナヴェーリアは王を若返らせました。[つづく]