十字軍 Crusade

十字軍
下記はTales of the Reaching Moon誌13号に初出のGreg Staffordの記事の抄訳です。この記事はRPG Magazine No.76(1996/8)に日本語訳が掲載され、またStafford LibraryのArcane Loreに再掲載されました。

フレストル王子が異教のペンダルス族〈注1)を破るために秘密の十字の地図をたどって世界の四方を彷徨い、「沈黙の宮廷」(注2)で手に入れたものが「世々の正義」という宝剣でした。

フレストルの死後も彼の「十字軍の儀式の巻物」はのこって、大いに後の歴史に影響を与えました。しかるべき儀式を行えば、魔術の影響下にある兵士たちはすさまじい戦闘力を発揮したからです。〈注3)

この術をフレストル後にはじめて使い、しかも長期にわたって濫用したのはアーカットで、そのために彼は破門されたほどでした。〈注4)

「正道への回復十字軍」〈注5)は最初のうちうまく儀式が働いていましたが、目的が宗教的なものから世俗的なものになるに従い、儀式は効力を失っていきました。トリミール将軍は「アルビノプエルの戦い」でこの術を用いようとしましたが、完全な失敗に終わったのです。

「平和王」アンマックはこの儀式を用いる前に厳格な審査およびフレストル王子との対面と許可を要求するようにし、汎神論的な神知者の帝国が最盛の時代にはこの儀式は全く用いられませんでした。

第三期になって、ベイリフェス王がアスゴランの戦いで十字軍の儀式を長い沈黙の後にはじめて用い、術は恐ろしい効果を発揮しました。ロスカルムではこの儀式は用いられたことがありません。しかし近年の「戦争王国」の脅威に対して「最終手段」を用いようとする意見も国内では次第に大きくなっています。


注1:Pendali。獅子の民、第一期のジェナーテラ西部はバスモル・スンチェン人の帝国によって治められていた。
注2:フマクトの神話との類似に注意。
注3:RQ3版のルールでは、この術を投射された兵士はFPを二倍にし、 DEXもロールが必要な場合二倍として計算できる。また、魔術に抵抗する場合、POWを二倍として計算できる。そして鋭刃3、防護3、熱狂の効果を得る。ただし、この魔術の影響下の兵士は《熱狂》呪文の影響下にあるものとして考えること。冷静な判断は不可能です。
注4:一時期、彼は「対混沌十字軍大元帥」としてセシュネラのアークホームに居城を構え、タニソールの吸血鬼の王、グラカマガカンと戦いました。
注5:上陸したジルステラ軍がセシュネラを暗黒帝国から解放し、ラリオスまで攻め入るにいたった経緯についてはKings of Seshnela(セシュネラ王統譜)の記事、もしくはStafford Library:Middle Sea Empireを参照してください。