「再昇天」におけるオーランス

以下はGlorious Reascent of Yelm 87ページにおける、イェルムとオーランスの間の神話についての解説です。訳の間違いの責任はzebにあります。

「イェルムの栄光ある再昇天」におけるオーランス
ダラ・ハッパ文化圏の南方にはもうひとつの文化圏があり、今日ドラゴン・パスと呼ばれる地域を中心としていた。第一期には、これらの南方人は最初のうち「異邦人たちStranger」と呼ばれていたが、しばらく後には、「世界友邦評議会」と呼ばれた。彼らはまた、ゼイヤラン人や「第一評議会」、もしくは(崇める主神の名をとって)オーランス人と呼ばれていた。彼らはアナクシアルの船からあまりにも早く下りた「離船者たち」の子孫であった。

この文書(訳注:「イェルムの栄光ある再昇天」)はふたつの偉大な文化の、最初の敵対的でない交流の間に著された。内容から考えての証拠からして、プレントニウスは明らかに敵の嵐の神もしくは神々の名前についてあやふやであった。そして軽率にそれらの神もしくは神々を自分の知っているウーマトゥムUmatumや「反逆のテルミヌスRebellus Terminus」と同視しようとしたのである。

この種の南方の神の名称について知られているいくつかは:オーラナトゥム、オーラナトゥス、エルランドゥス、ラーナトゥム、「雷鳴轟く者Thunderer」などなどである。これらの嵐の神もしくは神々がそれぞれの部族における「嵐と王者」の神の呼び名であることはありうるし、単にプレントニウスの蛮族の言葉の誤解によるものであることもありうる。

最終的には、これらの二つの文化は統合して「ナイサロールの黄金の帝国」と呼ばれるひとつの共同体になった。しかし統合は「再昇天」に記述している時代から一世紀半過ぎた、コルツァネルム皇帝(在位111,368年〜111,405年)の治世になるまで始まらなかったのである。この時代の友好の一世紀の間にダラ・ハッパのイェルム神と、ゼイヤランのオーランス神の神話の混合が行われた。たとえば、「反逆のテルミヌス」のくだりはオーランスによって置き換えられ、またある者たちに「擾乱者Disruptor」(訳注:「オーランスの輪」)の星座と関連付けられた。

似たようにして、オーランス人の神話の「皇帝」がイェルム神となるのは容易なことであった。「自然界」の調和ある二元性は、特にセアード地方の大地の女神アーナールダの寵愛を競い合うことで特に示されたのである。

ナイサロールの帝国が分解し、蛮族たちが侵攻して来ると、統合された信仰は継続したが、統合された宗教は崩壊した。政治的な理由から相違点は促進されて悪化の道をたどり、神々の間の違いは強調された。かつて生きていた調和は再び失われ、「理想」のみを残していったのである。