リグスダルとカリル

リグスダルのもっとも名高い信者といえば、「星の眉」のカリルですが、この神の謎めいた(あいまいな?)素性とGathering ThunderのSky Shipのシナリオを交えてつらつらと雑感です。以下、シナリオの種明かしなので、これからやる人は注意です。(カリルがリグスダルと交わって子を儲けたといったのはグレッグだったかな…。)

ヒョルト人のカルト:リグスダル - そっちはそっちの気晴らし、こっちはこっちの気晴らし





推測するに、「昇月の寺院」を建てるのに必要な(全ての力ある儀式に必要な)条件はより「当たり前の世界」を「神々の世界」に近づけることです。しかし危険なのは、神々が近づくだけでなく敵の神々も近くに呼び寄せることになり、儀式を逆用される可能性が出ることではないかと推測します。

「いかにオーランスが星々を躾けたかHow Orlanth Organized Stars(GT p.50)」の神話では、オーランスが踊りで極星を中心にした踊りのリズムを乱し、自分の戦の舞に変えてしまいます。直前の文でポラーリスだった極星は、オーランスの舞のリズムの中でいつのまにかリグスダルになってしまいます。(Simon Bray氏のイラストだと片目をつぶっていますが、これは片目はつぶっていても、常にもう片方は覚めていることを意味しているのか。)

Sky Shipでは、探索者たちはペネンドロスの塔に向かいます。ダラ・ハッパに追放された星の将ペネンドロスを祭り、カリルに協力するようになったヒーローバンド「星を歩む者たち」がこの塔に居を構えています。(要するにダラ・ハッパの側からすれば裏切り者です。)カリルと「星を歩む者たち」の首領であるダナルの導きでヒーローたちは天界に向かいます。

「星を歩む者たち」がこのクエストでなにをもくろんでいたのかは知りえないことですが、ヒーローたちは塔の天界における反映であるエルコノス(穀物)の星座にある港から、天の川の船に乗船します。アナクシアルの船に乗って星界の中心に向かうのです。

オーランスの輪」という星座があります。この星座の一番輝く星は緑色で、なぜかドラゴンの頭と呼ばれています。ヒョルト人の神話によると、彼が「天界を動かすもの」竜シュ・ハカルジールを倒したときに勲章として首を取り、首のない身体を天に投げ上げて星にしたということです。ダラ・ハッパの神話では、この竜の星座はブルブルストゥスBurburstusと呼ばれ、皇帝ムルハルツァームに倒されて玉座になりました。

Stellar FAQ

カリルがしたことは、みずから輪と変じて、オーランス(カリル)が持っている首をもう一度ドラゴンの胴体につなぎなおし、天の竜を復活させる。今度はドラゴンが勝利するようにもっていく。その結果、地上の反映としてヤーンの竜が「昇月の寺院」で出現し、タティウスたちの計画を頓挫させたというわけです。

副作用として(カリルの望まない結果として)、大閉鎖以来消えていた「船の惑星」が復活し、カリルの盟友であった「星を歩む者たち」は、クエストの結果全滅します。あいまいに仄めかされているだけですが、「星を歩む者たち」は自分たちの神の素性をたどって神性を得ようとし、結果失敗したようです。カリルが意図していない結果だったことは、彼女の態度を見ればわかるというわけです。