ビリーニ王国の諸王

ビリーニ王国の諸王(「首なしの」ホリックの「ビリーニのサガ」を典拠とする)
(Talastar Paper、Dorastor p.17、Lords of Terror p.10、Book of Drastic Resolution: Chaosより抜粋)
オーランス人の常として、ビリーニの王権は世襲ではなく、民会の協議で選ばれることに注意すること。)

1595年より1605年、「不平なわし鼻のGrizzlebeak」フローダーHrodarの治世(伝統主義者)

オーランス信仰の伝統主義者だった彼はラクレーン地方の支配権を含めたビリーニの王権を主張し、ヴォラネル市のオパンドOpand王と争った。フローダー王はゲリラ戦術に頼り、1609年のエンディールEndeel市の戦いでオパンド軍を討った。ダラ・ニの勢力はルナー帝国の介入を頼み、エンディール市の引渡しをビリーニ王に要求した。

フローダー王は不意をついてダラ・ニをも落とし、貢納を要求した。これは近年のビリーニ王権の最伸長だったが、ルナー帝国の介入を招いた。赤の皇帝は全ての征服地の返還、権限の放棄を要求し、王は拒絶した。赤の皇帝のしもべたちは1605年、帝国に対抗する魔術を準備していたフローダーのもとを襲撃し、王に呪いをかけた。フローダーは今では壷の中に封じられているらしい。

1605年より1611年、「ノラルの息子Norallsson」エリクEricの治世(融和主義者)

彼の父は熱狂的な伝統主義者であり、彼自身がルナー転向者となったことは史家たちの謎だった。帝国がシリーラの宮廷に逃げ込んでいた彼を推挙した。

エリクはウロックスの信者を好まず、彼らを追放して、ドラストールの混沌を撃退するよりは宥める形で調伏しようとした。(その試みはあまり成功しなかったようだ。)1608年、ウォワンダーWowanderという存在が率いる混沌の軍勢がビリーニだけでなく低地地方をも襲った。シリーラ軍が駆けつける前に混沌軍は消え去っていた。

エリクの統治に不満を唱えたビリーニのチャンピオン、「白い目のケティルKetil White Eye」は仲間とともにエリクを訪れ、議論し、最後に決闘でエリクを討った。ケティルは王殺しの後、スカンティの地に逃れ、オックスヘッドの寺院でオーランスに仕える聖職者となった。エリクの死後、ウロックス信者たちはビリーニの地に戻った。

1611年より1621年、「泳ぎの達者なthe Swimmer」ハーコンHakonの治世(伝統主義者)

スカンティ貴族の娘、美女で知られた「黄金の」グドムンドを妻に持ち、ハーコンは強い指導力を振るった。1608年グドムンドはウォワンダーWowandarに対する防戦で大いなる名誉を勝ち得たが、その後の疫病で美しさと健康を失った。

ハーコンは土着民の選挙で選ばれたが、治世の初めから強力な敵、ハールグリムHahlgrimという男と争っていた。彼らは祖先の時代からの敵だった。ハーコン王はドラストールとの戦いを行うことと引き換えに伝統の領土と信仰を守るということでルナー帝国と協定を結び、また息子のレネコットRenekotにリスクランドの開拓権と新しい氏族の創設を認めた。

ハーコン王のルナーとの協定は多くの人質と土地を要求したが、その一部はハールグリムの家系のものだった。反発するハールグリムの家系はハーコンの妃グドムンドの主治医であったディーゾーラの司祭がルナーの間諜であると法廷で論難し、王は訴訟に負けて争いと疑心は続いた。

最終的にハーコンはハールグリムの家門の多くを殺して土地を押収した。自分の直系の家族の多くをスカンティの地に避難させたハールグリムは最後に自分の子供時代の屋敷で王を殺した。王の息子、「石の」レネコットは賠償の銀を受けとって復讐をしないことを宣言し、後にドラストールとの戦争でハールグリムを支持した。ハールグリムはオックスヘッドでオーランスの司祭となり、もうひとりの王殺し、ケティルと親交を深めた。

1622年より1625年、「輝く目のBrighteye」ボルソールBolthor、またの名を「裏切り者Traitor」の治世(融和主義者)
(彼の治世の「ハールグリムの戦い」については、多くをパウリスの回想録に負う。彼は多くの行動をハールグリムやケティルとともにした。)

ボルソールは英雄ディスタンより伝わる「鉄砕きIronbreaker」を保有するオステリ氏族の家門の出だったが、この剣の真の力をついに知ることはなかった。彼は妥協によって選ばれた王で、戦いよりも取引や政治によって王国の失地を回復しようとした。アッピウス・ルクシウスをはじめとしたルナー側は彼の指導力に懐疑的で、彼の退位もしくは権限の委譲を要求した。ボルソールはやむをえずいまだに名望の大きいハールグリムに頼ることになった。ボルソールは「鉄砕き」をハールグリムに贈って援助を求めた。(パウリスの「回想」はここから始まる。)

ボルソール、「ハーコン王殺しの」ケティル、「呪われし剣の」ハールグリムと、その兄弟、「鋭き」オーディ、後のビリーニ王はラルツァカークと思われる存在に率いられる混沌と戦うが、結局それはラルツァカークではないことが明らかになる。ボルソールは秘密のうちにドラストールの混沌と結んだことを暴かれて魔剣「鉄砕き」に殺されるが、ハールグリム自身も「鉄砕き」にかけられた宿命によって命を失う。(「鉄砕き」を受け継いだ)オーディとケティルのみ生き残る。

1625年より1630年?「鋭きthe Keen」オーディOddi、またの名を 「ラルツァカーク殺しRalzakaaksbane」の治世(伝統主義者)
(彼の治世の始まりにパウリスがビリーニを離れて帝国ハートランドに向かったせいもあり、彼の治世についてはほとんど記録が残されていない。「首なしの」ホリックは「ビリーニのサーガ」を完成させる前に亡くなった。以下は未来の出来事の一例で、ナレーターは自由に用いることができる。)

オーディ王はナイサロール信仰は混沌ではないことを証明した。そして混沌感知で啓発が察知できないことから、ルナーもその全てが混沌ではないことをも証明したのである。

オーディ王の治世は賢明なる王による繁栄の時代として知られる。しかしそれもルナー帝国とラルツァカークの増大していく力の間にあってわずかの間に過ぎなかった。(注1)

オーディ王はルナー融和主義者を追放することでラルツァカーク軍をルナー帝国と戦わせようと努力し、それは1629年に実を結んだ。オーディ王は自分の民に避難するよう命じたが、彼らはその理由を尋ねた。彼らの忠誠心にほだされた王はラルツァカーク軍とともに帝国を襲うことを告げた・・・・。

続く出来事についてはルナーの年代記にいっさい記録に残っていない。民の全てを悲劇へと導くことで終わったようだ。なぜならオーディは最終的に単身、ドラストールにもどり、ラルツァカークを滅ぼすからである。彼の命と「鉄砕き」を引き換えにして。

オーディ王のサガ

注1:全てはアーサー王の伝説のように「夢」で終わるとか。

まりおん殿のブログの南ペローリアの地図です。
(記事の内容はフワーレンですが。(笑))