ダラ・ハッパ(ルナー)の軍神たち3:軍組織
「連隊Regiment」はここで挙げる部隊として活動を行う基本単位としての概論上の用語である。(典型的な連隊は500人から1000人である。しかし、魔術の分遣隊等ではわずか50人のこともありうる)実のところ、このような部隊にはファランクス(ダラ・ハッパ式、特に重装歩兵)からドミニオン(リンリディ)にいたるまでのいろいろな名称がある。連隊は軍隊か兵団に属することになる。
帝国にはおびただしい種類の軍隊の伝統があり、ルナーの軍事組織がヤーナファル・ターニルズのカルトの指導の下にとりまとめている。多くの異なる部隊の形式と地位の制度がある。ここで挙げるのは帝国軍が提供している複雑さと多様性について霊感を与えるための数例である。
・分隊(もしくは小隊)Squad
一般に、最小の戦術的な単位が「小隊」である。しかしこのような隊の規模と活動は対象となる軍隊の文化と型により考えられる限り違いが出てくる。たいていの場合、このような隊は独自に動くものでなく、より大きな組織を構成する一部分である。選抜された護衛や斥候隊はたいてい一つの小隊で構成されており、プレイヤーヒーローの一団が遭遇する典型的な戦術的な軍隊の一部である。
地域 | 名称 | 兵数 | 指揮官称号 |
---|---|---|---|
カルマニア | ハズナックHaznak | 12 | ケスダkethuda(*1) |
ダラ・ハッパ | 陣列 File | 10 | デシマルクdecimarch(*2) |
ダージーン | デキュロンdecuron | 10 | スバルsuvaru(スヴァールの息子)(*3) |
ルナー | セプトイseptoi | 7 | セプトンsepton |
ペランダ | ホプラhopla | 8 | モタルクスmotarxus |
リンリディ | 巣 clutch | 9 | ヴリモンvrimon(*4) |
シリーラ | 結び目knot | 12 | オルシルorshil(最初の斧)(*5) |
(*1)ケスダはハザール階級である必要がある
(*2)ダラ・ハッパ人の兵士はエラダンelladanと呼ばれる
(*3)スバルは狩猟隊の長の呼称でもある
(*4)ホプラ(hopla)は近年、リンリディ地域の小隊のシンボルとして再導入された(この部分訳不明)
(*5)指揮官はその隊が何の武器を装備していようが、「最初の斧」と呼ばれる
・中隊Company
中隊は標準的な連隊単位の戦争における、活動を行う軍隊の単位である。中隊は強力であり、また自分たち独自の活動をとれるだけの自由を持った単位である。指揮官はたいてい限られた指揮能力を持ち、限られた訓練を受けた者で、たいていの場合、連隊の指示の元に動くことで最善の働きを見せる。
地域 | 名称 | 兵数 | 指揮官称号 |
---|---|---|---|
カルマニア | ケンテュリcentury | 80-100 | ケンテュリオンcenturion(*1) |
ダラ・ハッパ | 百人隊hundred | 100 | デデキュリオンdedecurion(*2) |
ダージーン (重装歩兵) | ヴェランディシュverundish | 120 | ハストゥンドゥムhastundum |
ダージーン (軽装歩兵) | エンスィヴュルensivru | 81 | マニマトmanimat・エンスィヴュル(戦闘隊の族長) |
ルナー | ケンテュリcentury | 70 | ケンテュリオンcenturion(*3) |
ペランダ | テトロンtetron | 80 | テトラルクtetrarch |
リンリディ | 翼 wing | 81 | ヴリマルクvrimarch |
シリーラ | 盾の壁shieldwall | 144 | シルコットshilkot(斧たちの主)(*4) |
(*1)ケンテュリとケンテュリオンはナヴェーリア地方の軍制に由来
(*2)さまざまな中隊が独自の古来の伝統に基づいてさまざまな称号を設定している。たとえばコースタディではシンタグマタルクsyntagmatarchという称号を指揮官が持っている
(*3)(70名なのに)ケントゥリと呼ばれるのは10個の小隊で成立しているからであり、元々のナヴェーリアの伝統では小隊は10名だからである。
(*4)指揮官はその隊が何の武器を装備していようが、シルコットと呼ばれる
・大隊Battalion もしくは連隊Regiment
大隊もしくは連隊は、軍隊を構成する(最大の)単位であり、グローランサの戦争において最大の軍隊の活動単位である。多くの帝国の連隊は古代の伝統を持ち、また風変わりな起源を持っている。その地位や組織や隊の士気はこれらの起源に基づいている。
地域 | 名称 | 兵数 | 指揮官称号 |
---|---|---|---|
カルマニア | レギオンlegion | 800 | カルマナックkarmanak(戦の君) |
ダラ・ハッパ (重装歩兵) | ファランクスphalanx | 1000 | ポルマルクpolemarch |
ダラ・ハッパ (軽・中装歩兵) | スヴァルムsuvarum | 1000 | ポルマルクpolemarch |
ダラ・ハッパ (狙撃兵) | ザルコスムzarkosum | 1000 | ポルマルクpolemarch |
ダラ・ハッパ (騎兵) | 連隊 regiment | 500 | カスタルクkastarch(*1) |
ダージーン (重装歩兵) | 連隊 regiment | 1000 | ヴェルーマシverumathi(戦の王) |
ダージーン (軽装歩兵) | スヴュルsuvru | 1000 | マニマトmanimat・スヴュル(戦氏族の族長) |
ルナー | 連隊 regiment | 1000 | 士官tribune |
ペランダ | レギオンlegion | 800 | ダクスダルゴスdaxdargos |
リンリディ | 縄張りdominion | 900 | ヴリヴリメロンvrivrimeron |
シリーラ | 戦 battle | 700 | トヴェングコットtvengkot(戦闘の支配者) |
(*1)500頭の馬が連隊の人員に数えられるため、1000名という完全な数字が保たれるのである
・軍隊Army
いくつもの連隊や所属する部隊に構成され、軍隊は帝国の権勢を生み出す強大な道具である。軍隊は固定された組織単位ではないが、ふつう五千人以上の兵士を数える。それ以下の人数の単位は、ヴュクシリアか、ひとつの指揮下に置かれた分遣隊の一団とたいていの場合みなされる。
この規模になると、ルナーの地位しか公式的には帝国軍には存在しない。帝国内のさまざまな文化がこのような指揮権にたいする呼称を持っているが、旧式の称号であり、戦場でのみ残っている。
戦王warlord(新ペローリア語では「将軍」general)が全軍の指揮権を持つ。軍指揮官について他の階級が文化の起源に基づいて存在する。将軍に率いられる軍隊が土着の称号を用いることはよくあるが、全ての帝国の書簡では戦王を用いている。
軍隊より大きい単位は兵団Corpsや、特殊な兵力、「帝国中央守備隊」や、「狩猟兵団」、「帝国海軍」などである。大将軍たちがこれらの兵力を指揮する。
・ヴュクシリア
ヴュクシリアは特有のルナー組織部隊である。最初のヴュクシリアは「我が婦人の館」のギドロによって指揮され、シェン・セレリスとの戦いで名声を得た。ヴュクシリアは軍隊のヒーローバンドであり、中枢部の部隊から始まったが、多くの異なる連隊からの一部の兵力をまとめて、ひとつの分遣隊として成立した隊である。常にヤーナファル・ターニルズの将校によって指揮される。ヴュクシリアは融通性に富み、たいてい特定の目的のために結成される。ヴュクシリア指揮官の地位によってなにを受け入れることができるかが制限される。地方の軍隊すら、ヴュクシリアの下位の指揮官の命令に従うことは期待できない。(この部分訳不明)
地域 | 名称 | 指揮官称号 |
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カルマニア | 軍 army | 候armiger |
ダラ・ハッパ | 軍 army | 将軍general |
ダージーン | ヴェロンスマットveronsumat(ヴェロンドゥムの部族) | ヴェロンドゥムゥverondumu(ヴェロンドゥムの息子) |
ルナー | 軍 army | 戦王warlord |
ルナー | ヴュクシリアvexilla | フェレショーリfereshori(*1) |
ペランダ | 本陣 front | 戦王warlord |
リンリディ | 軍 army | 将軍general(*2) |
シリーラ | 軍勢 host | 戦王warlord |
(*1)フェレショーリはヤーナファル・ターニルズカルトの将校である
(*2)これはリンリディの伝統的な組織ではない。ゆえにダラ・ハッパの用語が適用されている
・特殊な地位
ある種の部隊は特殊な地位を設けている。典型的なのは「魔道学院」の軍所属の構成員を抱えているときである。魔術部隊はダラ・ハッパではイルデクスモトirdexmot、ダージーンではドガルズdogarz、リンリディではケスティサクスkestithaxと呼ばれる指揮官を持つ。カルマニアでは、軍隊のヴィジールはロマノスromanosと呼ばれる。ルナー軍の魔術の専門はトロファーニtrofaniと呼ばれる。属する魔術学院に応じてさまざまな称号がある。