ナイサロールの誕生に関する注解

以下はDorastor: Land of Doomに載っていた「太陽停止」と時間についての記事の抄訳です。訳の誤りの責任はzebにあります。



ナイサロールの誕生に関する注解
ナイサロールなる神の創造によって、太陽が黄道上で止まり、驚異のあまり誰もが仰ぎ見たといわれる。

「アウロックのAuroch」ガラニアンは、エシルリスト卿が冥界で会った第二評議会の英雄だが、アラクニー・ソラーラの網を盗んで、空で太陽を止めるために使ったのは自分だと言っていた。実際、ラリオスに伝わる話では、彼らの神であるアラクニー・ソラーラが敵である雄牛の頭を持った半神に、アラクニー・ソラーラ自身の網で縛られたことについて語っている。このラリオスの物語は、どうやらガラニアンの物語を他者の側から語ったことのようだ。また、モスタリの話ではグバージの誕生で「大いなる機械」の歯車が壊れたということである。

これらの話のすべてが示していることは、時そのものがナイサロール神の誕生によって変化したのかもしれないし、時間の停止そのものが第二評議会にとって誕生に必要なものだった可能性があるということである。後に実施された大いなる魔術の見地からしても、どちらの事件も起こすのは不可能に思えるのだが。

しかし後代に、学者達は時間そのものがこの事件によって短くされたし、日の長さそのものが短くなり、人間の人生そのものも短くなったと非難している。[魔道士]ザブール自身、(彼自身独自の寿命をもっていることで唯一無二の存在なのだが)この判定に同意している。しかしザブールは同意した上で、道徳的な警告のかたちでしめくくっている。いわく、人は自分の歩む道に注意深くあるべきであり、時間の限界に対して抵抗するよりはむしろ時間の限界を受け入れるべきであると。

(Excerpt from Dorastor: Land of Doom p.17)