ダラ・ハッパ(ルナー)の軍神たち4:連隊の神々

以下はShreds of Light and Reason 66-68ページのGreg Staffordのルナーの軍神に関する記事の抄訳です。(以前のArmy of Lunar EmpireのWeb記事の再掲だと思われます。)翻訳の間違いの責任はzebにあります。

ルナー帝国の軍神たち
第一に覚えておくべき原則は、ルナー帝国はダラ・ハッパ帝国であるということである。赤の皇帝の政体はダラ・ハッパ帝国の延長とみなされる。ダラ・ハッパ帝国の組織は捨てられたり取り替えられたりはしていない。大部分の組織は保持され、多くが改良され、少数のみ滅ぼされたのである。

破壊神シャーガーシュ

シャーガーシュは帝国全土で最も古くから信仰されていた神々のひとりであり、ダラ・ハッパの戦いの主神である。この神の信仰の中心は常にアルコスの都であり、アルコスでは戦の神以上の存在である。

シャーガーシュ信仰は原始的で野蛮である。ほえ声やうなり声が通常の祈りである。司祭はいつもナイフで自分を傷つけるし、そのせいで死ぬことはありふれたことである。人間の生贄はこのカルトの主要な特徴であり、祭典や儀式でいつも行われる。信仰の活動で狂乱し、みんなが神の興奮の血を飲むことで酔いしれている。信徒が家に帰る途中で死ぬことはよくあることと見なされている。

この反文明的な側面にもかかわらず、シャーガーシュの信仰はアルコスにあまりにも深く浸透しているため、取り除くことは不可能である。その代わり、シャーガーシュカルトはより後代のカルトに上書きされるかたちになる。後から生まれたカルトはシャーガーシュ神が体現する死の荒々しい情熱を導き抑える働きをするのである。したがってシャーガーシュ神は定期的な都の信仰活動においてのみ祈願され、また絶望的な状況下にある軍隊によってのみ祈願されるのである。

少数の連隊のみがルナーの常備軍で活発な活動をおこない、シャーガーシュを信仰している。しかし多くの連隊はコースタディ君主領のサトラップの軍隊に所属している。彼らは狂乱する狂戦士の群れで、生命より死を愛している。彼らは時たま暴発する「われダージーンの簒奪者どもを憎む」暴動の原動力である。彼らがダージーンに対する熱情に満たされて行軍するとき、彼らは古代の自分達の指導者である「ウルカルマスシャ、アルコー神の兄弟」の名前を呼ぶ。

シャーガーシュは解き放たれ抑制されないとき、全てのものを破壊する。シャーガーシュ神の全力が示されたとき、神々に再び彼を解き放ちたい者はいなかった。シャーガーシュ自身も自分の力を再び示す必要は感じない。シャーガーシュは世界を救済したし、かけがえのない存在だからである。彼は自発的に自分の惑星の宮殿に隠棲し、定命の者の矮小な争いにおける働きをより低位の神々に任せているのである。


アルコスの部隊
この都はいくつかのシャーガーシュを信仰するルナー常備軍の部隊を出すことで貢献していることに留意すること。これらの部隊はそれなりの兵数を持っている。

しかし、シャーガーシュにはなん種かの(擬似的、あるいは仮の)軍事的な部隊があり、これらは公式的には「民兵」である。しかしその獰猛な神性ゆえに、これらの団体は激烈な戦う連隊でもある。人員は一定しない。なぜなら寺院が武器を取る号令をかけると、訓練を受けていない民がいくたりか仕事をやめて応ずるからである。

これらの部隊はシャーガーシュの息子か化身を連隊の神としている。これらの部隊のうち我々が知っているものは:

・センデレシュ、もしくは「汝を殺す」部隊(主に本国警備が任務)
・ウルカルマスシャ、もしくは「われダージーンの簒奪者どもを憎む」部隊(主にダージーン攻撃が任務)

他にも存在する。


他のアルコスの特記事項
戦のドラムが鳴るときは、都の防衛の呼びかけをたいてい意味する。銅鑼が鳴るときは、たいていの場合攻撃のための召集の呼びかけである。


戦神ポラーリス
ポラーリス(極星)は「星の将軍」であり、「天界の軍勢」の指導者であり、「天空の守護者」である。天空の神々の中で彼のみが天国で不動である。天空の全てが彼を中心に回転する。

ポラーリスは星の神々の中で最強である。天が不動を喪い、動き始めると天の民はあちこちをさまよい、多くの者が死んだ。ポラーリスは可能な限り多くの民を組織化し、「不動の喪失」と対決したとき、自分がアラズ神(訳注:イェルムの弟にして光のデーモンの主)よりも強いことを実証した。ポラーリスの元に天空の民は一致して協力し、再び天が浄化されるまで侵略者を撃退し続けたのである。

ポラーリス、「天空の将軍」はシャーガーシュを圧倒した最初のダラ・ハッパの神である。彼はシャーガーシュの軍勢を戦場で負かしたときに、自分の優越性を証明した。(シャーガーシュが一騎打ちでいかなる者をも倒せたにしても)これは「中心の戦い」と呼ばれる。そしてこのことから、ポラーリスはシャーガーシュが世界を滅ぼしたとき彼のみ生き延びたのであった。彼の天界の位置より、ポラーリスは世界の再生を指導した。シャーガーシュ(とその他の神々)が「上の世界」に戻ってきたとき、彼らに導きを与えたのはポラーリスだった。

ポラーリスはジェナロング王朝以来いくつかの連隊の戦神である。ジェナロング王朝の時代、ポラーリスはユスッパとその他の都市の戦神でもあった。コルダフ帝の治世と(またそれ以降速やかに(訳注:訳不明箇所))、ポラーリスはダラ・ハッパの指揮官の神にもなった。

ポラーリスは今日でも指揮官の神である。彼の信仰は百人隊長や、より高位の者のもので、それより低い地位の者に信仰されることはまれである。


ハスタトゥス
ハスタトゥスはしばしばポラーリス、もしくは「花崗岩連隊」もしくはその他の指揮官の配下の兵士と見なされる。ハスタトゥスは古強者の歩兵である。

Glorious Reascent of Yelmの21ページによると、槍兵、もしくはハスタトゥスはアヴィボールス、「アンティリウスの召使」の称号であり、悪い者を滅ぼす神である。

彼は今日では「太陽槍」、天から降臨する破壊の一撃の霊である。

プレントニウスに「神々の壁」の第一層の19番目の神と見なされていた。


軍隊の神ウルヴァイリヌス
ウルヴァイリヌスはポラーリスを軍隊の神として信仰した最初の者だった。ウルヴァイリヌスはポラーリスのカルトと信仰のかたちを制定した。ウルヴァイリヌスは軍隊を訓練された者と、規律と、戦旗でもって組織化した創始者であった。

元々の形式がどのようなものであれ、ウルヴァイリヌスのカルトは今では将軍と指揮官のカルトである。ウルヴァイリヌスは組織者と行政官と本陣のカルトである。

ウルヴァイリヌスはコルダフ王朝とエルツァネストゥ王朝の時代に作られた連隊の戦神である。


騎兵の神カストック
カストックはヘレムシャール帝統治下の111,570年ごろ生きていた偉大な将軍である。カストックは皇帝に反逆のかどで処刑された。皇帝はカストックが無実であることを知っていて、処刑は皇帝の評判をおとしめた。

Glorious Reascent of Yelmはそれ以上のことは記録していない。カストックの死は政治的なものであり、まったく不正で彼に相応しくないものであった。カストック配下の遊牧民の軍隊は怒り狂って離反し、ダラ・ハッパ人の騎兵隊は抑留された。(目的としては、彼らの英雄たる君主に復讐するため。)このことで残りのエルツァネストゥ王朝の間、騎兵軍は疑惑の存在となった。この不信はおそらくスポルの信仰が帝国に入り込むことを奨励することになり、結果王朝を終わらせることになったのである。

カストックが処刑されてから二世紀の後、不正のなかに束縛していた影からカストックは解放された。「新たなる光」の元に、新たな王朝がカストックを解放した。カストックは「征服帝」エルメクスドロスによって「騎兵の神」として公認された。(111,770年ごろ)

カストックはダラ・ハッパ全土でこの役割を果たす神とされている。エルメクスドロス帝によって作られた騎兵の連隊はたいていカストックを信仰している。


エルメクスドロス
エルメクスドロスは軍隊を再編し、多くの武功を数えられた。しかし戦場での貢献のみがエルメクスドロスの貢献ではない。そして少数の連隊のみがエルメクスドロスを戦神として信仰している。もちろんエルメクスドロス自身を連隊の神とする連隊はない。


指揮官の神ヤーナファル・ターニルズ
ヤーナファル・ターニルズはルナーの啓発をダラ・ハッパ軍にもたらした者である。彼は滅びたダラ・ハッパの部隊を新たなルナーの部隊に置き換えて編成した者でもある。もっとも重要なことは、彼が軍隊の本陣を「兵団Corps」の本陣へと変えたことであり、聖別された本陣とヴェクシリアを持つ「戦の群れBattle Groups」を制定したことである。

ヤーナファル・ターニルズは連隊において指揮官と下士官双方に信仰されている。(しかし指揮官はポラーリスをも信仰している)

ヤーナファル・ターニルズの部隊において重要な点は、(現代のルナーの伝統に沿って)部隊は「通常の」ルナーの魔術を受け取っていることである。これは以前の部隊の軍事的な魔術とは異なり、ヤーナファル・ターニルズとその神に対する信仰の結果である。


ヤーラ・アラーニス
「昇月の女神」。

防衛の女神。ペント人騎兵を恐れさせ破壊することに特化している。

昇月の寺院に赴任もしくは寺院自体から来た隊を除いて、軍隊では信仰されていない。このような部隊は1000人未満の魔術部隊である。



連隊の守護神
連隊はすべて創始者を持っている。創始者は軍旗に祭られている。そして創始者はすべて崇める神がある。これらの創始者に信仰される神は時には軍隊の兵種や、戦いのやり方の守護神と見なされることもありうる。歴史的な事情によって、異なる神が同じ軍隊の兵種に対して守護神と見なされることもある。

このような守護神のうちもっともありふれている神は:ポラーリス、ウルヴァイリヌス、アロニウス・ジャランティール、ヤーナファル・ターニルズ、アヴィヴォールス(ハスタトゥス)、サジトゥスである。

ヴラノストゥム、もしくは時に地域的に風変わりな例として「神々の壁」の第一層の18番目の神も守護神として挙げられる。(これはもちろんアンティリウスではない。(訳注:ドバーダン?))