コルダフと十の試練の公子たち3

真の帝国の拡大
ジェナロング朝の領主たちはダラ・ハッパの皇帝でしたが、善い皇帝たちではありませんでした。ジェナロング朝の支配下では土着民が冷酷な領主たちを嫌って数多くの反乱が起きました。また、皇朝の皇帝たちのなん人かは異国の土地や他の古代の種族の征服を行ったのです。

「十人の公子たち」は古来のダラ・ハッパの土地を再統一しようとする勢力でした。同志と血族の集まりから成立した英雄的な団体で、邪悪な大領主たちを倒し、アンティリウスとイェルム神に対する信仰を再びつちかうために恐るべき誓いを立てて、競い合い、協力し合ったのです。

「十人の公子たち」は「アナクシアル帝の巡行」を経て、古代の契約を呼び起こし、半ば忘れられた精霊たちや記憶を呼び出しました。この方法で、公子たちは古来の力を目覚めさせ、その力を自分たちのところに引き出したのです。公子たちは奮闘し、多くが死にましたが、帝国の網目をきつくきつく結んでいき、「真実」を自分たちのもとに近づけたのです。

以下は十の公子たちの成功の決定的な出来事の一覧です:

サンクン(注1)が最初に加入した大きな国でした。そのために今日サンクン人は帝国の中で名誉を与えられています。サンクン人は四つの同盟の民を「公子」たちの陣営に引き入れました。

ヴォンラース(注2)が次に征服された国でした。ライバンスの民は解放者たちを歓迎し、喜んだようですが、「二つの槍を持つ者たち(注3)」がライバンスの都を占領し、信用していないすべての者を殺しました。

ケスティナーディ(注4)が次に征服された国で、民は「十人の公子たち」を解放者として歓迎しました。

ヘンジャール同盟(注5)が次の征服地で、「若き皇子」コルダフ様に降りました。「過ちの皇帝」はその後降伏し、正当な皇位に座る者なら誰でも支持すると約束しました。

ヴォンラース西部が次に征服されました。ダーヴェディンガサスDarvedingasus将軍は遠い上流で河を渡り、全ての小さな都市や町を征服しました。偉大なる都(原注1)のみが包囲され、孤立しました。

ナヴェーリア(注6)全土が女祭たちの好意により、次に加入しました。女祭たちは皆「賢者」コルメーシャと彼の流儀に対して好意を隠していたのです。

偉大なる都ライバンスがついに降伏したとき、大いなる祝宴が催されました。そして「十人の公子」は勝利と祝賀の大いなるパレードとともに、都に入りました。

帝位の候補者たちがライバンスに集まると、コスターディ(注7)の諸部族がすべて「十人の公子」に従うようになりました。コスターディの部族は敵に攻撃されていて、速やかな援軍を求めていたのです。その結果、ケスティナーディ(原注2)は征服され、ケスティナーディの財宝を奪い取りました。

「十人の公子たち」の素晴らしい成功は全ての外国が認めるようになりました。多くの外国が同盟や臣従をおこないました。それらの外国の中で最大の国はペランダ(注8)の国で、数ある都市国家の国でした。

ビリン(注9)の豪族が次に「十の公子たち」に自分たちの命運を賭けました。エルツアストの都の軍勢は豪族達に同調せず、ユスッパの都を占領しようと進軍しました。続く戦闘でユスッパは解放され、喜びを持って古代の帝国に再加入したのです。

このことで古代の皇帝(注10)の残余が統一されました。「三つの珠」のしるしが挙げられましたが、しかし「唯一なる皇帝」として人もしくは神に選ばれた者は現れていませんでした。そして吉兆を待ち、なにが必要なのか示す兆しを待ち受けていました。

原注1:ライバンス
原注2:あきらかにリンリディは一度「十の公子たち」に反乱を起こしている。後戻りや挫折は一覧から省かれている

注1:Sanken、ダラ・ハッパ東南の地域(現コスターディ君主領)Imperial Lunar Handbook Volume 1、25ページによるとダラ・ハッパ本土とは異なるかたちの「英雄的な、貴族の責任を知るNoblesse Oblige」イェルム信仰を有している。進取の気性が本土の保守的なダラ・ハッパ人と摩擦を引き起こすとのこと
注2:Vonlath、ライバンスの後背地にしてダラ・ハッパの中心部
注3:Two-Spear Men
注4:Kestinaddi(Rinliddi)、ダラ・ハッパ北東の「鳥の国」
注5:Henjarl alliance、History of the Heortling Peoples15ページによるとShadzoring(地獄の妖魔?)がアルコスの後背地を支配していた。ここでの「過ちの皇帝」はエウシブスを意味する
注6:Naveria、ダラ・ハッパの東の「女性と都市の国」
注7:Kostaddi
注8:Pelanda、この当時のペランダの状況についてはFortunate SuccessionやEntekosiadにも記述がある
注9:Birin、ダラ・ハッパ北の白海に面する地域。Imperial Lunar Handbook Volume 1、20ページによると第二期にはこの地域は海賊で悪名高かった
注10:原文のまま、emperor