ドラゴンの宗教の大要1

以下はEWFの宗教に対するグレッグの説明です。翻訳の間違いの責任はzebにあります。

・竜の神秘主義
「舞踏と狩猟団」は一連の儀式と活動を持ち込んだ。「大いなるドラゴン」の秘密と洞察力(またの名を「知りえざる秘密」)に定命の存在が緩慢ながら達することを可能にする儀式であった。また秘密に達した後生き延びる術をも教えたのである。賛同者の得る祝福は、悩めるドラゴン・パスの住人にとって非常に魅力的であった。

伝統的な指導者たちや、実のところ大部分の一般人は、「舞踏と狩猟団」の踊り手たちを「無責任で利己的、社会になんら貢献せず、生み出す以上に奪う者たち」として非難した。それにもかかわらず、運動は大きくなり発展して、儀式の方式にいくつもの分派を同時に生み出していった。

「舞踏と狩猟団」は、「不惑の一団Untroubled Bands」、もしくは部外者から「傲慢なる者たちArrogantines」として知られるようになった。なぜなら彼らは「傲慢にして利己的」だったからである。民間の信じるところでは、彼らは僻地で乱交や宴にふける以外はなにもせず、奴隷のドラゴニュートの霊に養われているということであった。

「自己満足する者Complacentines」たちは、日常の生活に力を尽くし、今の人生では竜の理想には到達することはできないと気づいている者たちで、自分の日常の家族や氏族への責任を果たすことで満足している者たちであった。「自己満足する者」たちは、自分たちがより「ドラゴン的」になりうるし、生まれ変わった後には、自分の義務から解放されるかもしれないと知っていた。彼らは軽蔑の対象であったが、それは彼らが自己満足していて、指導者や司祭などの、余計な義務に志願することも、普通の人間が望むような富や権力を望むこともなかったからである。

このような種類のグループは名前や呼び名を変えて、EWFの大部分の時代に存在を続けていた。

最後に、より真剣な分派は「内省者たちIntrovertines」で、「内なるドラゴンのカルト」としても知られる。このグループのもっとも有名な個人は「天翔ける」オブデュランであった。彼はもっとも深い理想と道義のうちに生き、潔斎と瞑想の修行を続け、生きているうちに「真のドラゴン」となる方法論を満たした。オブデュランは「竜の友」オーランスの啓示を明らかにし、竜の体験を人間に把握できるかたちに翻訳したのである。これは「内なるドラゴン」たるアランゴルフの体験であった。人々はオブデュランが実践し、教えた教義を続け、そのことで他の人々もオブデュランが達したのと同じ結果に達した。(彼らの名前は現代では知られていない。)

他の、忍耐を知らず、またより限られた望みや洞察しか持たない者たちは竜の地位に達する他の道を発展させたのであった。

・竜の宗教の発展
二つの主流派の発展に大別できる。(ただし双方が多くの分派を含んでいた。)二つの主流派は、「近道short cuts」と「俗信common worship」と名づけることができる。双方が宗教であり、支持者たちから離れた指導者の階層があり、短期的な目的を持っていた。これら二つの呼び名は支持者、参加者や傍観者には決して使われなかった。しかしながら、ここでは有用な集合名詞であり、ここでは引用のために使用する。

「近道」はオブデュランのように竜の位に達することができると主張する道であったが、少し異なる手法を用いていた。「十の階梯のプログラム」としてはじまったもっとも人気のある「近道」は、「内的到達の道」となった。この手法はドラゴンたちがやったのと同じ方法(小さなものとして始めて巨大なものとなること)で真のドラゴンになることができると説いた。ある人々はこの道に入ることで「大いなるドラゴン」と見分けのつかないくらい凄まじい力を得た。しかし、この道で「真のドラゴン」や、それより高次のドラゴンになることのできた者は誰もいなかった。

「正しき左手の道」は、イスガンドラングが最も有名なメンバーだが、「近道」の流派の中で盛んだった。

「俗信」は「自己満足する者たち」の流派から発展した。民は(普通のオーランスとアーナールダへの信仰と同じように)自分たちの注意と引き換えに、何か得ることを求めはじめたのであった。最初の供犠の儀式からはなにも得られなかった。しかしその後、偉大な指導者たちがヒーロークエストを行い、信仰のための道をしつらえた。総じて、これらの指導者たちは「力を得る門」と化したのであり、形の上では神教的なドラゴンの英雄となり、信仰されて魔術を与えていたのである。このようなカルトのいくつかは人気を得た。このようなカルトには「ドラゴンの愛のカルト」や「インゴルフのカルト」がある。ダラ・ハッパを結果支配するようになった「黄金のドラゴンの結社」はこのようなカルトのひとつである。「ドラゴンの道」はオーランス人の社会構造と理解を持っていたが、魔術の源が異なるカルトであった。

Excerpt from Greg Stafford's "History of Heortling Peoples" p.48-49