ヒョルト王2:概要

以下はおそらくKing of Sartarの記述の再掲ですが、再度翻訳します。訳の間違いの責任はzebにあります。

ヒョルト王

これは古代の物語である。太陽が天で止まった時よりはるか昔であり、太陽が天に昇るはるか昔のことである。暗黒の時代のことである。

その時代、オーランスとオン・ジョリの出身である「独り身の」ジャネーラの息子ヴィングコットが民を率いていた。「法の作り手」ヴィングコットは偉大な戦士であり、民を「暗闇の民」や「氷の民」から守り、王の地位を得た。それから彼の民は自分のことをヴィングコットの民と呼ぶようになった。

ヴィングコット王は十人の子供を持っていた。彼らは全員名高く、そのためヴィングコットの部族は「大暗黒」の災いを生き延びることができた。しかし「暗黒」は「先闇(訳注1)」を生み、オーランスは世界を救うために「光持ち帰りし者の探索行」に出発することを決めた。オーランスは「真実の召集」を行い、他の「光持ち帰りし者たち」は彼の元に集まった。

神は自らの家を離れる前に王たちと英雄たち、神官たちを呼び寄せ、神が出発する聖なる地を守護するように指示を与えた。オーランスは彼らに神聖な贈り物を授け、彼らはオーランスに魔術の道具の贈り物を贈った。そしてヴィングコットの民は「先闇」の恐怖に勇気を持って立ち向かい、「永遠の輪」を作って、エルマルに忠誠を誓った。そのとき「大暗黒」が始まり、我々は「先闇」と立ち向かった。

ヘンガルはヴィングコット王の次男であった。彼の母は「夏の妃」であったが、「天のゴープ」が「龍の首」を覆い隠した夜に生まれた。ヘンガルが生まれた時、「第三の母」は彼に星を心臓として与えた。

ヘンガルは飲み物に毒を盛られ、彼の身体は巨大になった。一日の成長で身体が長館より大きくなってしまった。ヘンガルは絶望した。一族を飢えさせることなしに生きていくことができないことを悟ったからである。そのためヘンガルはひとりで混沌と戦うために旅立った。

ヘンガルのことはヴィングコットの民や、その同盟者の誰からも六世代の間、話には出なかった。このときは「混沌の戦争」の時代であり、氷と暗黒の中で戦っていた。敵は姿を変え、自分の周りの世界を変えた。全世界が解きほぐされ、もはやヴィングコットの法ですら人が兄弟と戦うことを止めることはできず、隣人の権利を尊ぶこともできなくなった。世界の病はヴィングコットの末裔すら襲い、ふたりの「隠れた王」も生き延びるために姿を変えることに頼った。

「隠れた王」を助けた者たちのひとりが「俊足の」ヒョルトである。彼は「鹿角の」ダーンドレヴの息子であり、ダーンドレヴは自分の王を守って死んだダーントロールの息子である。ダーントロールは「俊足の」パーントールの息子で、彼は「鹿の氏族」を創設した。パーントールは「懲罰者」の息子で、「懲罰者」はアーサルの息子である。アーサルはコロルの息子であり、コロルはヴィングコットの四人目の子供である。

ヒョルトの母は「アリンクスの氏族」のドレニヤンで、ヴィンガの信者であり、「赤い女」であった。

全世界が去った時に、全ての者が孤独であり、ヒョルトは世界を離れていた。世界の外れで、ヒョルトは「次男」に出会った。ヘンガルはヒョルトに自分の偉大で恐るべき戦いについて話し、負った傷と、「星の心臓」の秘密について語った。そして「我が戦い、皆が勝った」戦いの秘密について教えたのである。

ヒョルトはその戦いを憶えた。そして「次男」を通り過ぎて先に向かい、「世界の終わり」に行った。そこで世界の悪と戦い、勝ったのである。

ヒョルトが自分の民のもとに戻った時、彼は起きたことについて民に語った。彼らは「隠れた王の」最後の飢えから身を隠していた。ヒョルトは怪物たちを倒し、民が砦で再び住めるように、そして望めば自然の敵にたいして戦いに出て行けるようにしたのである。

ヒョルトはその後、隠された「法の杖」の道をたどり、「ジャラニの石」で「荒れ狂う狩人」ガガースを倒した。そして「法の杖」を持ち帰った。「法の杖」を持って、彼は仲間と自分にしたがう民に新たな法を定めたのである。その後、ヒョルトの法に従う者は彼にちなんで自らを呼んだ。そのために我々は「ヒョルトの民」なのである。

我々が大人になる時は全ての者がヒョルトの道をたどる。これがオーランスの道なのである。

訳注1:Predark