レガリアRegalia

ガリアregalia(王章)

ラテン語に由来するこの語ですが、グローランサの設定で頻用されています。縁故を重視するHW/HQにおいても権威ある品物を持つことが即影響力の上昇につながるというメカニック的(悪く言えば皮相的な)面を置いても、魔術的な世界であるグローランサにおいて、王権を表す品々がそれ自体、魔術を持ち、所有する人物がすなわち、王位にふさわしい人物となるのです。(Sandy PetersenとNick Brooke, Glorantha Con Conpendium p.15)逆に言えば、魔術的でない状況がグローランサにはありえないということでしょうか。

ヒョルト人の間では、ヴィングコットの剣と兜が有名です。(この品々の由緒についてはヴィングコットの子らのサガを参照してください)ホワイトウォールのブライアンはこれらを使ってヒョルトランドの高王としてファラオの死後、即位することに成功しました。その他、サーターの輪の品々についてはSartar Rising: Orlanth is Dead! p.7に言及があり、カリルを含む反乱軍の有力者の面々がひとつひとつを所有しています。

  • サーターのトルク(所有者「星の眉の」カリル)
  • サーターの移植ごて(所有者「槍の主君」オルスタロール)
  • サーターの鎖(所有者[アリンクスの]デルヌ)
  • サーターの籠(所有者「雷鳴のケープの」オルンジェリン)
  • サーターの筆(所有者「紫の」ミナリス)
  • サーターの宝玉(所有者「野の風の」エルマランディ)
  • サーターの物差し(現在所有者なし)
  • サーターの剣(現在所有者なし)

マルキオン教徒の間では、セシュネラ王権(中部海洋帝国皇帝)のレガリアが有名です。Middle Sea Empire p.13によると、以下の通り。
  • タラールの王笏
  • セシュネラの王冠
  • フレストルの外套
  • ガーラントの[炎の]剣(後代に付け加えられた。ニザーロ将軍はこの剣を用いて暗黒帝国を滅ぼした)
(セシュネラ王権は第二期の終わりに断絶しましたが、もしかすると英雄戦争期には栄光の復帰を夢見るベイリフェス王朝によって収集されているかもしれません。)グレッグの書いたSheng Selerisの断片によるとクラロレラ帝権にもレガリアが存在し、現在はゴドゥーニアがそれらを所有しているのでしょう。

王章のテーマを中心的に用いているのがペローリア三部作でダラ・ハッパを扱っている部分です。都市文明であるダラ・ハッパ的な話として、ひとつひとつの宝器が支配下のポリス(都市)のひとつに関連付けられています。初代皇帝ムルハルツァームに始まって、(元々のイェルムに授けられた十の宝は以下のとおり(Glorious Reascent of Yelm p.15))
  • 徳の下帯
  • 護りのサンダル
  • 開示の祭服
  • 支配の腰帯
  • 統治のマント
  • 領土の宝冠
  • 主権の小冠(low crown、冠が二つなのはエジプトを想起させます)
  • 権威の宝珠
  • 秩序の宝笏
  • 天空の鷲
最後の皇帝のターケンエギに至るまで、挿話としてレガリアを集める話がGlorious Reascent of YelmやFortunate Successionに載っています。大半は簡略にですが、コルダフ皇帝に関しては詳細に失われた王権の宝を集める話が記載されています。(レガリアを集める「十人の公子たち」については、機会があればエントリしたいです)