ヘフェロネス哲学

下記はMasters of Luck and Death 66ページのHepherones Philosophyの囲み記事の抄訳です。訳の間違いの責任はzebにあります。

元素をものごとや思考、運動と関連づけることはしばしば行われる。個々の関連付けの体系は信者に独特と思われているが、知っているにせよ知らないにせよ、たいてい神知者の業績に根ざしているのである。

多くの文化は装飾やシンボルに皮相的にこの種の関連付けを用いているだけだが、いくつかの集団は関連性自体から力を引き出している。ひとつの例が《元素相克》である。汎宇宙的に適用できる(しかし世界中に知られているわけではない)魔術哲学であり、ベリンタールが聖王国建国のための魔術の闘争に用いた哲学である。

ヘフェロネス教団は教団創始時の学匠たちに作られた関連性の法則を用いる。この法則は「ヘフェロネスの理論」に基づいており、元素を世界のすべての相に浸透している根元的な魔術の源と見なしているのだ。

ゲーム的には、教団メンバーは五つのスキルを魔術に影響を与えるために使える。《[元素の]ヘフェロネス哲学》の能力は対応する元素のダイモーンや精霊や精髄を支配するために直接用いることができるが、そうすることは間に合わせの修正(訳注1)によるペナルティを受ける。

さらに重要なことは、このスキルの知識によって、魔術師は元素魔術を(下記の使用例のように)可変数の適切な能力(訳注2)によって複数回増強をおこなって判定ロールが行えるのである。単独の魔術師が一度に複数の能力で増強が行えるが、単独の能力からのボーナスは関連する《[元素の]ヘフェロネス哲学》のスキルの10分の1の値を超えることはない。

(ヘフェロネス自身の発見より千年以上もの)教団によるヘフェロネス哲学の適用により、第六の元素が必要であるように思われている。しかし、今までのところ、誰も第六の元素がなんであるか発見していない。教団のメンバーは「石」や「人」を提案しているが、仮説の関連付けにともなう適切な《哲学》のスキルを発展させることはできていない。

ロノス(訳注3)は「月」こそが第六の元素として完全に相応しいのではないかと恐れており、彼が《哲学》の知識をルナーの手から隠そうとする大きな動機となっている。

技能の使用例:エブラ(訳注4)は《風の爆発Wind Blast》の呪文で「知識の盗賊たち」が学院を荒らすのを止めようと試みた。エブラのこの能力は貧弱な15という値しかないが、《風のヘフェロネス哲学》によって、彼女は適切な能力で増強が行える。したがって、エブラは《深き息Breathe Deep》や、〈ルナーを憎むHate Lunar〉や、〈危険を嗅ぎつけるSmell Trouble〉、果ては〈角笛を演奏する〉ですら(可変数の技能に該当し、)増強できる。

しかし、彼女のそれぞれの試みの勝利判定レベルにかかわらず、ひとつの技能がエブラの《風のヘフェロネス哲学》の3W2の値に由来する+4より大きいボーナスを加えることはない。(3W2 = 43/10)

大地大気未知
方角西
黄色オレンジ
活動隠匿創造治癒/修復命令闘争???
植生菌類藻類穀物/潅木樹木???
動物相昆虫類魚類爬虫類鳥類哺乳類人類
金属水銀
黒曜石真珠エメラルド緑柱石火打石ルビー?
肉体脂肪血液筋肉皮膚?
臓器生殖器心臓???
感覚聴覚味覚触覚視覚嗅覚平衡感覚?
感情恐怖欲望共感自尊心怒り???
武具棍棒???
道具ハンマー火をつける
道具
ナイフ???
楽器ドラム葦笛竪琴角笛声?


訳注1:improvisation、即興、間に合わせの技能の適用。HQ英語版77ページ

訳注2:variable augment、HQ英語版80ページ

訳注3:ヒーローバンド「万象の風・ロノスの学院」、ヘフェロネス哲学を奉じる一派の指導者

訳注4:「深き洞察の」エブラ、ロノスの学院の幹部のひとり