前期帝国と後期帝国

サトラップSatrapあるいはスルタンSultanの地位がルナー帝国内でどのように変遷してきたかについては資料が不足しています。

ただ言えることは古代ダラ・ハッパでは属州Provinceを治める者をおそらく(英語翻訳で)Overseerと呼んでいたということで、現在のルナー帝国ではこの称号は南方の蛮族ベルト地帯および旧カルマニア中心部の代官に対して用いられています。(日本語のジェナーテラブックでは「総督」と翻訳されています。)

彼らの地位は世襲ではありません。(ファージェンテス王の例に見るとおり終身かもしれませんが)またPeter MetcalfeのGlorantha Introduction to Hero Warsでも形骸化した都市後背地の代官の称号としてOverseerを挙げていて、この説を裏付けています。

また、Fortunate Succcessionでは、シェン・セレリス到来前の皇帝の事績として、

「(赤の皇帝は)帝国の公益に寄与しない古い貴族階級を解散し、代官たちを置いた。彼は公平で平等である属領地(Provinces)を作り、自分の命令の元動く行政官を置いた。(58ページ)」

これは証拠としては薄弱ですが、シェン・セレリス到来前の帝国に属領地があり、現在の分国化は後期帝政によって始められた可能性があるということは言えると思えます。

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