ルナーの祝日2

聖祝期
聖祝期はグローランサで共通して特別な期間です。異界の間の障壁が弱まり、世界を維持し、または再生する儀式がこの期間に行われます。

ルナーでは、教導師(ヒエラルク)たちや、その他の官職にある人たちが潔斎に入り、公的な儀式のための準備を行います。

公的儀式(年始)
下記は新年最初の一週間に行われる公的な儀式です。地方によって違いはありますが、大体似たような儀式が行われるのです。

・生の日(年末日)
朝、七母神の「備えの期間」(訳注0)について、物語が行われ、劇が演じられます。このころはまだ七母神たちは別々に行動していたのです。昼になると母神たちが集まって女神の創造の儀式を行います。儀式はティーロ・エスタラ(訳注1)の登場でクライマックスに達します。

・始まりの日(新年初日)
ティーロ・エスタラが天幕からヒーロークエストに出発します。儀式がはじまると、ティーロ・エスタラは原始的な「緑の時代」の「大男」に出会います。男は女神の最初の愛人となり、二人の間に男の子ホムラ(訳注2)が生まれるまで劇は続きます。

また、女の部族と雷の男らの出会いについての喜劇(訳注3)も演じられます。

・都の日(新年二日目)
儀式は参加者とその地の祝福とともにはじまり、神秘的な都市、メルニッタの都(訳注4)の設立の物語に入っていきます。主演はティーロ・レジーラで「満たされし者」になりたいという望みを伝える演説(訳注5)を行います。しまいには素朴な日常の歌、「われ願う」の満場からの唱和でしめくくられます。

次は女神の満たされし者となろうとする儀式の再演で、結果、女神は人間として生まれ変わります。

「我らはみな我らなり。」

複雑な踊りの末、会衆のなかから選抜でセルーリアとデメスカ(訳注6)が選ばれます。

デメスカは残りの儀式のあいだ、王のような扱いを受けます。玉座から「青の都の物語」が演じられるのを見るのです。セルーリアは青の都の女王として登場し、賢いこともあれば愚かなこともあります。

日没とともに、「皇帝」が選ばれます。「皇帝」はその夜、デメスカ役の女性と儀式的に結婚します。

訳注0:女神の再来までの期間、カルマニア帝国の下で七母神達の活躍
訳注1:Teelo Estara、七母神による再誕から、帰還の戦いで神性を得るまでの赤の女神の称号、詳しくはRedline Historyを参照
訳注2:Homura、女神の意識の目覚め(akindling)の象徴
訳注3:エンテコシアド参照
訳注4:Mernita、ダラ・ハッパの神話で東北にあった都。ルカリウス帝の時代に滅びたとされる
訳注5:歌姫のソロの場合もある
訳注6:Ceruliaセルーリアは最も強い女性、Demiskaデメスカは最も弱い女性が選ばれる

Excerpt From Under the Red Moon