コルダフと十の試練の公子たち4

マニマトのブローチ
ダージーンの地は常にシュールエンスリーバ女神(注1)が最初の反乱をそそのかしてからというもの、問題のある地域でした。マナルレイヴァス皇帝はダージーン人を抑えるためにシャーガーシュ神を遣わしたものでした。

全ての善良な者が皇帝「人肉喰らいEater of Flesh」(注2)と戦っていたとき、ダージーンの王とコスターディの王はこの邪悪な「過ちの皇帝」を罠にかけようと企てました。しかしダージーン人は同盟者を裏切って敵の手に渡したのです。返礼として、ダージーン人は聖なる衣の三つの切れ端を皇帝「人肉喰らい」から受け取ったのです。

当時のダージーン人は、古代の聖なる留め金(ブローチ)の権威で即位した祖先を信仰していました(注3)。ブローチはダージーンのもっとも偉大な所有物であり「虚ろの皇帝」の征服からドゼスマスの都すべてを清らかに守ったと信じられていました。偉大なブローチは皇帝「台に乗る馬Horse on the Table」(注4)の治世の征服で奪われましたが、皇帝「台に乗る馬」はブローチを熔かすことを二回試みて、できないとわかったときに激怒しました。

コルダフ陛下の父ぎみ「兵士」コルツァネルムは、ブローチが「宝珠の天蓋」(注5)に隠されていることを知りました。「宝珠の天蓋」のありかは長いこと秘密にされていました。「兵士」コルツァネルムはダージーンを統治している「虚ろの皇帝」を滅ぼす助けを求めて、シャーガーシュ神を呼び出しました。ヘンジャールの軍は多くの南方の同盟者を連れて、敵に対して進軍しました。合戦が行なわれ、ダージーン人の血が大地を潤しました。そして神々が古代の崖を爆破して開き、隠された墓を明らかにしたのです。ヘンジャール軍はすべてを奪い取り、死ななかったすべての者を奴隷にしました。

注1:Surensliba、ダージーン風に書くとSurEnslib。ダージーンの大精霊
注2:在位111,112年から111,121年、別名ダルダグスDardaggus。預言者アヴィヴァスに殺されたジェナロング朝皇帝
注3:ダージーン人はマニマトを王朝と見ている。詳しくは過去記事を参照のこと
注4:在位110,993年から111,018年、別名ゲラスコガーGerruskoger。このジェナロング皇帝の治世にシャーガーシュの軌道が南道に固定された(南方のオーランス人はこの皇帝の治世(111,000年)に「曙」が起きたと考えている)
注5:Jeweled Vault。コルヴェントスKhorventos皇帝の物語(GROY Ivory Edition p.20)にも記述があるが、同じものなのかは不明