聖なる息

以下はThunder Rebels p.59 Sacred Breathの記事の抄訳です。翻訳の間違いの責任はzebにあります。(オーランス人の魂と供物の概念について主観的な見方を語っています。)

お前の息は神聖である!お前は多くの息を持ち、お前の内側に風を持っている。最初の風はお前の父から、お前を宿す前に与えられた風。二番目の風はお前の母から、子宮でお前を育てていたときに与えられた風。これら二つの風は祖先からか、神から伝わる風であり、強い獣から、もしくは土地からすら伝わる風のこともある。

お前の氏族の守護霊(ワイター)と領地(トゥーラ)の息はお前の一部である!お前が生まれてから八日経ったら、お前の両親は氏族にお前を引き合わせる。その時氏族はお前に名前と、もうひとつの風を授ける。今日では、もし赤子がひどく泣いたり、病気になったり、肌に奇妙なしるしが現れるなら、赤子は間違った名前を与えられたのであり、第三の息の授け手は怒っていることになる。

お前が入信したら、お前は強い新たな風を呼吸することになり、その息は−オーランスの息である!息はお前が年をとるに連れて強くなる。強力な探索者(クエスター)は神の息をとても深く呼吸することが出来るから、神自身で満ちていて、神が歩むように彼らは歩む。愛と憎しみのもとに、お前は他人の息を盗むことができるーそうすることでお前達のウィルド(運命)は交錯することになる。もしそうなれば、息は常に良くも悪くもお前の思考のなかに宿ることになる。時には鳥や獣がお前と息を分かち合うことになり、お前が成長するにしたがって大きくなり、鳥や獣のウィルドはお前のウィルドと何度も交わることになる。

寺院や、建物や、自然界のものごとにも息がある!お前はそれらのものと息の力を分かち合うことができる。しかし分かち合うことでお前はそれらに縛られることになる。ある場所の息は時にはお前に理解できるかたちでー人や、ニンフや、獣としてーやって来る。聖祝期には、我々は世界を造り直すのだが、その場で我々の儀式はトゥーラと全世界に息を吹き込むことになる。

他の息吹もお前が育つにつれてお前の一部となる。お前がやれるのは、おのれの内面を見つめ、お前自身の多くの息の名前と魔力を知ることだけなのだ!さもなくばお前の影のなかに、あるいは水に映る自分の姿に、みがいた青銅の戦士の鏡につかの間にかいま見るのだ。そしてお前が儀式を通して成長するにつれ、ワイターの息がお前のなかで育つことになる。そして力がおまえ自身のものとなるとき、氏族すべての力が永遠の道を歩む、お前の一部となるのだ。

ひとつの息がしばらくの間お前の身体を出てさまようことがある。夜吹く風のようにさまようのだ。もしくはお前の息は異なる形をとり、他の者が、夢や、聖なるトランス(恍惚)状態であるなかで現れるかもしれない。もしひとつの息が神に授けられたものならば、その名前を呼べば、その息はお前のそばに戻ってくるだろう。

ひとりの人間がいくつ息を持てるか数えようとする者がいる。しかしそうするのは山の湖にさざ波がいくつあるか数えようとするようなものだ。彼らはコリマーの者は十三の息を持ち、マボダーの者は三つの息しか持たないと言う。リスメルダーの者は七つの息に名をつけている。しかしその数は数えられる限り多くなりうるのだ!実りが貧しい畑を刈り取る方がまだ楽というものだ。しかし我々が知っていることは、ひとつの息が離れるか盗まれたら、お前はひどく苦しむだろう。もし二つ離れるならばお前は病むだろう。もし三つ引き裂かれるならば、お前は死ぬのだ。

万物に息がある。それが生贄を捧げることに効き目があるわけであり、あるものの息の力が捧げられることで解放されるからなのだ。供物の品は法の定めるとおり壊されたり、燃やされたり、ナイフで裂いたりする。聖なる宝は時間がたつと自分の息を取り戻す。もし正しい儀式が知られていれば、聖なる宝は何度も供物に捧げられることになるのだ。