赤の月の重要な地形

下記の記事はTales of the Reaching Moon #16に掲載されたGreg Staffordの赤の月の地形の記事The Body of Rufelzaの抜粋です。翻訳の誤りの責任はzebにあります。

ここに挙げているのは、赤の月の表面にある魔力の中心や、主な地形のもっとも良く知られる名称である。

矢の傷Arrow Wound(南東上面)
遠目には孤立した山の峰に見える。月面からはこの山が巨大な矢であることが分かる。矢柄は端しか残っておらず、石の鏃が部分的に埋まって残っている。この矢はイェルムの射手の息子が彼女を撃ったときのものである。彼女は今ではこの矢を紋章であるかのように携えていて、矢傷から滴り落ちる流れから薬草が生えている。この薬草はいかなる矢傷も槍傷も癒やす力を持っている。

蝙蝠の囲いBat Pen (北東上面)
落ち着いた心とよい視力を持つ人には、この月の部位は大きな蝙蝠のルーンに見えることもある。赤の皇帝が自分の巨大なペットを地上に呼び寄せるときにこういうことが起きる。もっと近くに寄ってみれば、ここは動物園のようなところで、たくさんの奇妙でたいていの場合恐ろしい生き物が住んでいるとわかる。これらの全てが赤の皇帝か、その配下の原野の狩人によって飼い慣らされている。

鳥の地Birdland (北西下面)
ときどきこの部位は遠目に弱まる燭火のような、輝くしみのように見える。ルフェルザ女神は彼女の故郷から生まれた祖先の神々を讃えるため、この土地を認め、鷲やウズラがここで巣を作るようになった。ここに住んでいる鳥のなかには、巨大なドラゴニュートの乗り物になるデミバードに似たオーグナーaugnerの群れもいる。「月の鷲の高巣」や「ウズラの巣」と呼ばれることもあるし、「火の宮殿」とも呼ばれる。

争いの野Field of Conflict (北西下面と南西上面)
この巨大な空き地には多くの罠や、自然な、あるいは超自然的な危険や、この区域で見つかるあらゆる自分以外の存在に危害を加えようとする敵対的な存在がいる。ヤーナファル・ターニルズ神が定期的に不死の「満月兵団Moon Corps」の一部を訓練のためにここに送り込んでくる。

冠の壁Crown Wall (月の上部3分の1)
地上からは、冠は月の目に見える端の一番てっぺんを取り巻く毛羽立った帯のように見える。近くからは、赤の月の頂上にかぶさる大きな冠のようであることがわかる。近くの月面下部から見れば、明らかにこれは巨大な門のない壁である。

ダーリネックスDarinex (正確に月の底部の中心) 
ダーリネックスは正確に自分が指している双子の兄弟、デスティックスDestixの方向をいつも向いている。この場所はダーリネックスが立っている場所から「回転軸」とも呼ばれる。

絶望の海Despair Ocean (北東と北西の中央部)
我々の世界から見ると、この広い区域は光が当たっているときに僅かに暗く、当たっていないときに僅かに明るく見える。月面からだと、ここは巨大でゆるやかな波の海であり、風はうめき声をあげる魂で、その住民は泳いだり浮いていたりする、人生に失敗した人々の死骸であったりする。この海の中心には「嘆きの島」がある。

皇帝の森Emperor's Forest (南東下面)
我々の目からは、この赤の月の部位はなにもないところのように見える。しかし近くで見れば、ここは動く森であり、見る間に木や地形そのものが形を変えていく。ここの住民にはここにしか棲息しない多くの生物を含む。そのうち何種かはハルカーゾンのように他の場所に住むにしては、あまりにも怪物的な生き物であり、鎌のような角のノーズホーンのように神聖な生き物もいる。赤の皇帝はここで狩りをするのを好んでいる。

フェンデリアの行進、あるいは山地Fenderian Parade、Mountain (北東上面と北西上面)
ある日、皇帝は、「母上、この地でもっとも悲しいことはなんでしょうか?」と尋ねた。考えたことから彼女は涙し、この涙のしずくは月面に落ちた。そこから千もの喜び楽しむスプライトが飛び出して、彼女を喜ばせ、彼女の気分を変えようと進み出た。彼女はそこで大いに笑い、この笑いでスプライト達はその場に凍りついた。彼女がいつでもそこで喜ぶことができろように彼らはいまでもそこにいる。スプライトたちはよそ者からは山のように見えるが、我々にとってはそれぞれが喜びの源か、滑稽な身振りなのである。

槍の砦Fort of Spears(南西上面)
遠くからは見えない。近くから見ると、我々は一面に面白いばかりのいろいろな型や長さの鋭い槍が穂先を上にしている野原を見る。これらの槍は極めて密集していて、その隙間に飛び込むことは誰にもできそうにない。槍の野の近くには、「新たなる砦」がある。(この地点はオーランス人の跳躍者が世界の頂上から跳びだして着地するところである。ルナーの連中はもう一人ここに跳び込む者が来ることを期待しているのである。)

ゲーラの陥穽Gerra's Pit (北極の近く、北東上面、北東下面、北西上面と北西下面が合わさるところ)
遠目では、たとえ陰がこの面を覆っても、この地点は薄暗い点に見える。この穴は深い四面のあるもので、数多くの階段が底まで伸びてつながっている。穴底は数多くの祝福された者たちが月面での至福の人生に向かって送り込まれたときに、到着するところである。「陥穽」の周囲は悲しみを知らない人々の都である。この場所は「黒真珠の宮殿」とか、「首飾り」とか、「悲しみの陥穽」とも呼ばれる。

栄光の平原Plain of Glory(南極、南西上面、南西下面、南東上面、南東下面が合わさるところ)
遠くからはただ平坦に見える。この平原は、我々がそこを歩くと、数多くの聖なる死者たちの無数の野営地があることが分かる。彼らはここで楽しむためにとどまっているのだ。

嘆きの島Grief Island (「絶望の海」海上
遠くからは見分けられない。この場所には「絶望の海」を航海することでしかたどりつけない。この島はとても大きく、不毛で、岩がちであり、その中央にあるのが「ゲーラの陥穽」である。

英雄の都Hero City (南東下面)
ここは遠くからでは、力ある「交点」(訳注:node、ヒーローウォーズでは魔道界の繋がりやすい部分である。しかしこの記事はヒーローウォーズが書かれる前に書かれたことに注意)のひとつである。この赤の月面の区域には、非常にたくさんのまばゆく輝く宮殿があり、そこにはルフェルザの聖人達と英雄達の多くが住んでいる。

療病院Hospital (南東下面)
近くからにしても遠くからにしても、この月の部位は時と、見る人によって、異なる色を見せる。ルフェルザ女神のみ色の変化にひそむ法則を知ることができる。流行っている宮廷のゲームのひとつは、赤の皇帝がこの部位に何色を見るか毎朝当てるゲームである。ここの周囲は平和で、人の手が入っていない原野で、その中心に、ラーショラナ女神と側近が住んでいる。この地は「ラーショラナの宮殿」、「鼻輪の館」、「明滅する館」とも呼ばれる。

ルナーの森Lunar Wood (南面)
遠くからは特徴のない部位だが、ここは村以上に大きな居住区のない広大な森である。ここの中には、我々の世界(訳注:内世界)のほとんどの美しい生き物が、稀にしか我々の世界でも見つからない驚くべき生き物の群れとともに棲んでいる。ここは高貴な死者達が狩りを楽しむために訪れるところである。

メルニータMernita (北西下面)
「地上界」からすると、この部位は強く明るく輝く青い光点である。ここにレシーラ女神が住んでいて、したがってこの場も「レシーラの宮殿」と呼ばれる。この古代の場所はルフェルザが自らの過去を見いだした時にここに再現された。ここには、人間だったときルナーの道に奉仕したあらゆる女性の住むところである。この都は「サファイアの耳輪」とも呼ばれる。

ナーサの要塞Natha's Fortress (南東下面)
遠くからは、ここは赤の月面上の、周囲より明るく赤く輝く光点である。ここにナーサ女神が住んでいる。近くから見ると、この宮殿のような都は巨大な壁によって取り囲まれていて、17の門を通る道によって貫かれている。嘆願者がナーサ女神のどの「相」、つまりある特定の性質がに会う事になるかは、嘆願者がどの門をくぐるかによって完全に決まってしまう。ここは「ナーサの宮殿」や、「ルビーの冠」とも呼ばれる。(城壁の上を飛んで入ることは、速やかに守護者ナーサの相を呼び出すことにつながる。)

閉塞の海Occluded Sea (南東上面と南東下面)
実際は霧で包まれた広大な海であるが、この区域は遠くからは平坦かつ特徴がなく見える。しかし、この霧の存在理由はよくわかっていないし、その中にあるあらゆる物体や生き物、存在、そして航海を行う船乗りが、ふつうなら知りたくもない欲求を覆い隠してしまう。だからこそ、ルナーの英雄達はこの海にスポーツ、あるいは自己探求のために、銛を打ちにくるのである。

目の宮殿Ocular Palace (ルビーの都)
ルビーの都の中にある、この宮殿はいつでもくつろげる所として、ルフェルザのお気に入りの場所である。彼女の玉座の間には、「物見の玉座」がある。ここに座る者は誰であっても、ルフェルザの知るあらゆるものと場所を見て取ることができる。しかし定命の者は玉座の力によって破滅してしまう。ここがヘレンドゥスが座り、ケレンデを見てしまった玉座であり、彼の呪われた伝説はここから始まった。

オロジェリアの野営Orogeria's Camp (北東下面)
我々の世界からは、ここは、赤の月面のテンダルシャンの森の中にある明るく輝く青い点である。ここは「トルコ石の耳輪」とか、「オロジェリアの宮殿」とか、「鹿の心臓」とも呼ばれる。

オズ山脈Os Mountains (北東下面と北西下面)
遠くから見れば、この月の地形は肉眼で見えるもっとも特徴のある地形である。ここは赤の月最大の山脈である。山中には「月の無法者たち」が住んでいて、彼らはここ以外に住む場所を見つけられない生き物である。洞窟の中には「誤つことのない見者」がいて、「底なしの陥穽」もある。ここから覚悟のできていない者は赤の月の栄光から、下の死すべき者たちの世界に投げ落とされる。ここにはまた、「転生の間」が存在し、ここで人々は生まれ変わって、新しい人生を送る準備をする。

ルビーの都Ruby City (南東下面)
地上遠くからすれば、ここは月で目に見える最も特徴のある部位のひとつである。ここは時々「上のグラマーBeyond Glamour」とも呼ばれる。なぜなら、地上の首都からここに直接扉が開かれているからである。ここは「神学評議会」が開かれる中心地であり、たいていの場合、エギ達が赤の皇帝を再生するために集まる場である。また、ここは、聖祝期の「超自然評議会」などが開かれるところでもある。

ルビーの海Ruby Sea (底極の周辺、南東下面、北東下面と北西下面)
その中心には、遠目で力の「交点」に見えるところがあるが、それはルフェルザが救った巨大な赤い魚であり、自分の尾を追いかけて今も将来も、永久に回り続けている。

聖人の都Saint City (北東下面)
ここは遠くから見れば、力ある「交点」のひとつである。赤の月面から見れば、ここにはたくさんの数の燦然たる宮殿があり、ルフェルザの聖人達と英雄達が住んでいる。

セデンヤの足乗せ台Sedenyas Footstool (月最上部)
ここは赤の月の最頂部で、ライバンスの古代のピラミッドよりも巨大なピラミッドが建っている。その上は我々のうちで最も恵まれた者がまだ自分を保っていながら、偉大なるセデンヤに可能なかぎりそばに付き従っている。

自己の高原Self Plateau (南西下面)
遠目には、ここは視力の良い人の多くにとって、最も特徴のある部位のひとつである。ここは巨大な水平の高原であり、その中心に「鏡の目Mirroreyes」という者が座り、大いなる「自己」、大悟の秘密について説法を用意している。この場所は「左目」とか、「我の丘」とか、「目に見えるものWithin Sight」とも呼ばれる。

シェンの傷跡Sheng's Scars (北西上面と南西下面)
この二つの地形は非常に目立つ、現実というものの醜悪さを思い出させるものである。我らの女神、無垢にして全き者は、血のつながりというものの関わりから、争いに巻き込まれた。自分の息子をかばった時に、「彼女」は敵によって打ち倒され、敵はひどい深手を女神のむき出しの頭に負わせた。気を失ったが、女神は回復し、(彼女のような苦しみを経験した者は誰もいなかったからこそ、)この非道な打撃から彼女の報復をするため、ナーサ女神が解放された。苦悶するシェン・セレリスは今では永久に苦しみ、砕かれ切り刻まれ、蘇ってまた焼かれるのを繰り返している。「大悟」の解放の機会も与えられずに、永久に苦しみつづけるのだ。


静寂の原Field of Serenity (北東下面と北西下面)
平坦で広大な平原の国。ここに住んでいる民は食料を集めるなど、いかなる不便もこうむらずに、安楽な人生を送っている。

六つの復讐の山 Six Revenge Mountains (南東下面)
これらの山はナーサ女神に良くした六人の古代の英雄のため、それぞれ巨大な宮殿に彫り上げられている。彼等はここで忠誠の報酬を受けることになった。彼等の名前は以下の通り:ゲオガーナ、イサラーサ、オカ、ネスタラソス、ジャガナーサ、そしてベサーナ(訳注:全てペーランダ古代の神々?)

テンダルシャン森林Tendarshan Forest (北東下面、北東上面)
遠くからは特徴のない地形に見える。ここは赤い樹木の生えた楽しい森で、オロジェリアの娘であり、森守の頭であるテンダルーシャにちなんで名付けられた。ここは全ての赤い色の生き物が死後に暮らすところで、彼らを信仰し、森で暮らすことを選んだ者の楽しみのためや、愛のために狩られることもある。

トランセタンの峰Transetan Ridge (南西下面)
二人のルフェルザの家政頭のデカとアンタラが口論した時、彼らは自分達の間にこの壁を起こした。

衣装置き場Wardrobe(南東下面)
遠くからは、ここは明るく輝く赤い点に見える。近くで観察すれば、我々にはここが女神の衣装置き場であることが分かる。ここではこの世界に下そうという願望があれば、どんな形の衣装でも選ぶことができる。近くには「安息の泉」があり、着たいと思う衣装を選んだ者が飲んで記憶を奪われてしまう。ここは「ヴェリスルサの宮殿」とか、「ルビーの冠」とも呼ばれる。

ゼイテネラの宮殿Zaytenera's Palace (栄光の野)
ここは赤の月面で見ることのできる唯一の白い光点であり、「ダイアモンドの宝冠」とか、「白の宮殿」とも呼ばれる。近くで見れば、我々にはこの宮殿が巨大なクリスタルの構造体であり、そこに定住している者たちは聡明なる瞑想の間に不動のままに座っていることに気づく。

昇月に栄えあれ!
[おわり]