神代1

神代

下記の文章はEntekosiad p.76からの抜粋です。非常に難解ですが、Entekosiadのヒミツはかなりこの中に凝縮されているはず。([]内はZebの意訳です。間違っていたらご教示ください)

・赤の女神の啓示

[現人神]ルフェルザは神界の旅から戻ったとき、壮大な変身を遂げていた。[大女神]セデンヤの全容のうち、七分の五を完全に自分の中に統合していたからであり、神聖な予言と社会的な期待を満たすため、残りの七分の二を得る準備を整えていたからである。

[化身]ナーサとしての権能を果たしている間に、ルフェルザは信者たちに自分の新たなる神界におけるサイクルの事実について教えた。この教えは完全な、完成されたひと続きの教義「七階梯Seven Steps」として啓示された。これは女神の自己啓示と[過去の]回復に関する神話的な地図であって、信者達の自我をタラルタラと呼ばれる「大いなる存在」に統合することを約束する教えであった。

ルフェルザの直属の信徒(大部分は女神の家臣だった)はなんの計算も、分析も、哲学もなしにこの厳格で危険な教えを実践した。彼らはルフェルザの行動のパターンを順番どおりに真似る以外の事は全く興味を示さなかった。信者がそれぞれの階梯の意味の深淵を理解するようになったのは時を経てからだった。

[後代の信者たちは女神に対して起こった]実際の出来事から離れてしまい、歴史的な経験の中で参加することが可能だったので、自然と他の援助を求めるようになった。しかし、信徒たちが初めて経験したときのまっさらな感覚は決して得ることができなかったのである。

・ヴァラーレの新たなる時

ヴァラーレ自身もルフェルザの[神界の]地図に従っていたが、「一なるもの」ではなく「多なるもの」としてのヴァラーレの境遇によって、同一の出来事を全く異なることとして経験した。同一の神話的な出来事に関してヴァラーレの視点は時に全く異なる情報を提供してくる。

したがって、ヴァラーレがルフェルザのヴェリスルーサの相として大いなる平安を経験すると、ヴァラーレはこの偉大な無意識的な出来事において、群衆の中の参加者のひとりとして経験した。[化身]レシーラの時代についての研究をヴァラーレが始めると、ヴァラーレは全ての神々の凋落(三つのあやまち)をも学ぶことになり、古代文明の盛衰を誘惑の輪廻の中に座している間に目撃することになった。

ヴァラーレのゲーラ[の化身]としての経験は参加者としてであり、創始者としてではなかった。ヴァラーレの啓発は「掌で火を熾す者palmster」(訳注1)たちのひとりとして行われた。ヴァラーレのナーサの化身としての均衡の儀式は(もちろん)地上の世界で行われたものであった。ヴァラーレのゼイテネラとしての解放のみが、ルフェルザのものと同じく、(もちろん神格化とはそうであるべきなのだが、)孤独のうちに行われたのである。

神代2

・さらに後代の発展

千二百年昔、プレントニウスはアナクシアル王朝の歴史を明らかにした。そして先立つ十万年のイェルムとムルハルツァームの治世をも描写したのである。数世紀もの間、ダラ・ハッパの数多くのカルトのさまざまな啓示は、早期のアナクシアル皇帝の治世に起こったものであり、離船者たち(訳注2)のその後の消息であると見なされていた。

この神話的な歴史の構造が知識人に疑われたり、革命家たちに挑戦されたりすることはなかった。ヴァラーレの啓示ですら、プレントニウスの示した時間的な大枠に挑むものではなかったし、後のルナーの研究による攻撃をも耐え抜いてペローリアの神代における標準的な記録として残った。

ヴァラーレ・アッディのもっとも重要な発見はダラ・ハッパにおいて受け入れられている事実に先だつ、膨大な先史時代に関する啓示であった。ヴァラーレは注目に値する期間、神代における体験をいつごろ自分がしたのか、正確に年数を数えることは無理にしても、適切な時系列として理解しようとした。ヴァラーレが遭遇し経験したその他の神話は、儀式を通じて新たなかたちの前後関係で考えることができる材料をヴァラーレに与えたのである。

ヴァラーレは自然と、ルフェルザ自身と同じく自分の経験が連続した出来事として把握した。そしてもちろん、あとに続いた数百人もの啓発者たちもそのように考えたのであった。

その一方で、多くの「旅人」たちが、「七階梯」がみんな考えているほど、固定されたものではないということをすぐに見つけた。特に、人々は個人個人特有の欲求と傾向、もしくは霊感の形にもよるが、[化身]ラーショラナがほぼあらゆる時に登場していることを心に留めた。

啓発を求めてハーグ(訳注3)へ旅する「旅人」は、そこに通じる道を見つけはするが、「啓発を行う者」(訳注4)は時には自分を示すのに他の仮面を用いるのである。「七階梯」は全体としては従わなければならないが、前後関係において、啓発が起きる場所はさまざまなのである。

ヴァラーレと似て、エティーリーズはもうひとりの「生まれながらの者」(訳注5)で、ルフェルザの道をたどったが、ヴァラーレとは異なるものを見出した。エティーリーズは自分固有の魔術と、技を使ってこのような調査につきものの、恐るべき危険から身を守り、神代を調査するのに役立てた。

ティーリーズ自身が「旅人」たちが通り過ぎる「オロジェリアの避難所」がいつも同じ時にあるわけではないということを見つけた。ルフェルザの狩りの星空における道は、「星の時代」を通っていて、この時代はプレントニウスの区分における「第四の時代」(訳注6)でもあった。この時代は現在の第二千年紀の始まりであり、[大女神]セデンヤの力の強大な渦でもあった。それでも、エティーリーズは時に、神聖なる避難所の周囲にある地に、いかなる以前の文明の痕跡も見つけられないことがあった。

ついには、エティーリーズは、自分がムルハルツァーム皇帝以前の時代にいるということを確信し、意識を持つ以前の状態にある、後にウェンダリアの民として認識された膨大な数の民を見出したのである。ナヴェーリア女神の元の事績は、より古の時代に起こったものと見なされるようになり、その他の神話における啓示も、より古代の出来事と見なされるようになった。

このようにして、初期の探索と発見の熟成によって、副次的ながら規則を持つ、巨大なルナーの年代学が結実したのであった。

訳注1:ペランダ神話。大暗黒を火を熾すことで終わらせた者たち
訳注2:debarkers。洪水のあとアナクシアルの命に従わず、箱舟を早いうちに離れていた者たち
訳注3:Hagu。ペランダ神話。掌で火を熾す者palmsterたちがテュロス神を目覚めさせた霊的な場所。もはや物質界には存在しない。
訳注4:ラーショラナ
訳注5:Natural。生まれながらにして啓発を理解する者
訳注6:「シャーガーシュの時代」。オーランシーの神話体系では「大暗黒」から「銀の時代」にあたる。

プレントニウスのクロノロジー

Nick Brookeの解釈より:
第一の時代:時は存在しない
第二の時代:100,000年、イェルムの時代(ムルハルツァーム)
第三の時代:10,000年、アンティリウスの時代(アナクシアル朝)
第四の時代:1,000年、シャーガーシュの時代(カツクルトゥム)
第五の時代:100年、カルグザントの時代(ジェナロング朝)
第六の時代:10年、最後の悪の時代、「悪の息子」の治世
第七の時代:1年、無秩序の年
第八の時代:10年、預言者アヴィヴァスの時代
第九の時代:100年、(再び)アンティリウスの時代
第十の時代:コルダフ朝の時代、この数字を見よ。これから1,000年続くであろう。栄えあれ、コルダフ様。

で、赤の女神の再誕からが第十一の時代、これから10,000年続くであろう。
(プレントニウスが意図していたとは思えませんが)
ウソだ、こじつけにもほどがあるという人はオーランシーかマルキオーニということでしょう。