死の神話

死の神話

グローランサの各種族・民族で死の神話の扱いはそれぞれ特色がありますが、神知者が統一神話を作ったことで共通の原型、もしくは神話が擬似的に存在し、また神知者が滅びた後に逆に、地方神話に影響を与えた感があります。

要素を粒子として分離してみると:
1.死のかたち
2.死をはじめに見つけた者
3.なぜ人は死ぬようになったか
4.死をおのれのものにした神
5.死にたいする救済
と大雑把ですが分類できます。

オーランス人によると:
1.地界に「死」があり、それは剣の原型だった
2.ユールマルが地界に入り込み、剣を盗み取った
3.ユールマルがハーヴァン・ヴォールを殺した。ハーヴァン・ヴォールは全ての人の父であり、したがって人は死ぬようになった
4.フマクトがユールマルから剣を奪い、自分のものにした
5.フマクトは一度剣を喪い、暗黒が世界を襲った。オーランスが自らの過ちの償いを行ったことで世界は救われた

トロウルによると:
1.地界に「死」があり、それは暗黒の中に生み出された赤子だった
2.暗黒の中にむつきにくるまれたエーテルを見つけたとき、ジオーラは友、アーガンは新しき神、ゾラーンは敵と呼んだ
3.敵が初めて不思議の郷を襲ったとき、愛しいコラスティングが傷つけられ、その子らも傷を負った
4.ゾラーク・ゾラーンは黄金の丘で光の神から死の秘密を奪い、自らのものとした
5.カイガー・リートールは蜘蛛の約束を信じ、トロウルたちに太陽の沈む夜のことと、郷に戻る方法を教えた

だいたい神知者の統一神話の題材は(彼らが略奪をおこなう材料としての神話)はオーランス人の神話がメインで、ところどころエルフやドワーフやトロウルの神話を都合よく散りばめている気がします。私の憶測ですが、オーランスの神話の中でゾラーク・ゾラーンがユールマルから剣を奪ってフラマルを殺したという挿話や、トロウルの神話の中で定命の祖父が出てくる挿話は神知者(か第一評議会の宣教師)の影響の気がします。